ブラックペアン最終回あらすじ【ネタバレ】渡海先生が追い求めた真実と佐伯教授の覚悟

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今シーズンの医療系ドラマで大ヒットしたブラックペアンがついに最終回をむかえました。

原作の小説では、父親の渡海一郎は医療過誤の濡れ衣を着せられて東城大学を去り、無念を晴らすことの無いままそして真実を知ることが出来ないままこの世を去るという悲しい過去が原因で起こった息子の復讐をテーマにした作品でした。

テレビドラマでは色んな話が付け足され、より濃いストーリーを展開してきたブラックペアンもついに最終回です。

最終回に向かうにつれて、ストーリーは父親渡海一郎の濡れ衣を晴らすために渡海先生が企てた復讐劇として話は進んで行きました。

前回では憎き復讐相手である佐伯教授のカエサル手術を無事に終えるところまでオリジナルストーリーとして公開されました。

気になる最終回はどのような結末を迎えたのでしょうか。詳しく内容をまとめてみました。

ブラックペアン最終回渡海先生が求めた証拠は東城大に

看護師長の命令で秘密裏に飯沼達次の担当を任された看護師の花房。

花房は看護師長の脅しに恐怖し従うしかなかったのです。

しかし、飯沼達次の容態は急変し隠し通せる状態ではなくなってきます。

■カエサルで成功したハズの治療はまだ完全ではなかった。

術後、目を覚ました佐伯のもとを訪れた渡海は再度飯沼達次の行方を聞いた。

しかし、佐伯はそれだけは絶対に言わないと硬く口を塞ぐ。

そんな佐伯に放った渡海の一言は誰もが想像していない事だった。

『ちなみに教授の心臓 まだ完治してませんから』

それを聞いて、顔をこわばらせた佐伯。

カエサルの手術はあくまで応急処置。発作が起きたら何時間も持たない。

一刻も早い再手術が必要なうえに、その手術が出来るのは渡海のみだった。

その上で再度渡海は飯沼達次の所存を聞いたが、それでも佐伯はこたえることは無かった。

また3日後に控えた理事長選を前にして佐伯は今すぐに手術を受けることは出来ないと言った。

渡海はそれまで持たないと言う。

それに対し、佐伯は主治医として理事長選に一緒に来るように言うのだった。

選挙は東京で行われ、参加中の佐伯に何か起これば、飯沼達次の行方は誰にも分からなくなる。

自分から目を離さない方が良いんじゃないかな?と佐伯から挑発を受けるのだった。

■木下の決断とは

医局の仮眠室で横になる渡海に、木下は飯沼達次の事はもう探さないのか?と聞いた。

渡海はおおよその居場所はつかめていると話す。それを聞いて手を引こうとした木下に渡海は飯沼達次の事を話す。

『その患者が医療過誤にかかわっていてもか』

それに対して木下の答えは医療過誤は絶対に許せないという断固たる姿勢だった。

その想いの強さに、渡海は木下には全てを話したのだった。

一方、渡海の脅しがハッタリなのかを確認すべく、佐伯は自分のCT画像を確認した。

そこに映っていたのは大動脈解離だった。渡海は本当に残していたのだ。

また過去出来事を知る看護師長は、飯沼達次をこのままにしていて良いのか佐伯に聞いた。

佐伯は言う。あの患者を手術出来るのは自分だけだと。

看護師長は佐伯の留守を預かることになった。

■理事長選にむけて

発表された日本外科ジャーナルの論文を投げ捨て怒りをあらわにする西崎教授。

何としても佐伯より多くのインパクトファクターを手に入れ、理事長選を優位に進めたかった彼の目論見は全て外れてしまった。

しかももう理事長選は3日後に迫っている。これ以上成す術のない現状に怒りを隠せずにいたのだった。

一方東城大でも理事長選に向けての準備が進められていた。

佐伯は術後間もない体だが、理事長選には予定通り出席するつもりなのだ。

危険な状態だと知らされている医局のメンバーは心配するが、渡海の同行を聞くと納得した。

また留守中の責任者として抜擢されたのが高階だった。佐伯からの指示であることを聞き高階は内心ほっとする。

医局では前回のカエサル手術を成功させ、佐伯の危機を救ったのは高階ということになっていたため、これまで帝華大のスパイとして煙たがられていた高階の株は上がり、それを妥当と見る人がほとんどだったのだ。

しかし、高階は渡海の行動を気にする。そして過去の言動の意味を問うのだった。

『佐伯清剛を信じるな』

『あの男は俺の親父を裏切った』

この言葉の意味に対して渡海は『あいつは死神だぞ』と言い残し去っていった。

■急変した飯沼達次

花房は飯沼達次の身の回りを託され、必死にそれを務める。

しかし、何も説明されないまま、特別個室に入れられ肝心な手術についての話もない状態を飯沼達次は面白く思っていなかった。

病室を勝手に抜け出し、やりたい放題の飯沼達次を花房は必死に探し回る。そんな花房を目撃したのは木下だった。

花房はいったん病室に戻ると飯沼は売店に行っていたと言い、袋を手にしていた。

花房は用事は全て自分に言うようにいうと、飯沼達次をはこの状態を監禁されているように感じると不信感をあらわにするのだ。

安静にするように言うも、手術の説明は無いまま。つい先日までいたさくら病院ではすぐに手術が必要だと言われていたゆえに余計にイライラが募るだった。

手術について何も説明を聞いていなかった花房は戸惑う。だが次の瞬間目の前で飯沼達次が急変した。

即座にナースコールを押そうとした花房は、看護師長の言葉を思い出し急遽携帯で連絡をとる。

佐伯の部屋にいた看護師長は佐伯の指示で止血剤を用意するように伝える。自分もそこに向かうと。

止血剤を取りに走る花房は途中高階にぶつかる。その様子をおかしいとみて高階は花房が来た方向にある特別個室を見に行くのだ。

一方佐伯は自分が処置をすると言ってベッドを降りるが、看護師長に『今はあなたも患者だ』と言われ、戻されてしまう。

花房は止血剤を取りにナースステーションに行くが、ここには常備していない。

保管室に行くように言われ、急ぐ花房。その会話を聞いていた猫田はその行動を怪しむ。

止血剤を手に入れ、戻る途中で看護師長と出会いこの事を誰かに言ったかと聞かれる。

誰にも言っていないことを伝え二人で病室に戻ると、そこには高階がいた。

高階の応急処置で飯沼達次は容態を落ち着かせ眠っていた。

しかし、胸腔内出血を起こしている可能性があるから早急なオペが必要だと言う高階。

患者のデータを見せるように言うが、看護師長はそれは出来ないと言う。

飯沼達次は特別な患者ゆえに情報は非公開なのだと。これは教授の命令だと最後に威厳を放った。

■渡海の努力

世良は渡海の事をもっと詳しく知りたいと思い、たまたま目についた米が送られてきたときの伝票を発見し、実家に足を運ぶのだ。

渡海の母は突然訪れた世良にも快く食事をふるまった。

世良は仏壇の渡海一郎の遺影をみて、どんなお医者さんだったのかと聞く。

それに対し、渡海の母は『普通のお医者さん』と答えた。

患者さん一人一人に常に一生懸命で何日も帰ってこないことなんてしょっちゅうだったと言う。

そしてアルバムが渡海の部屋にあるから一緒にみようと誘うのだった。

世良が渡海の部屋に入り最初に目に飛び込んだのは大量の外科結びの跡だった。

渡海の並外れた縫合の速さは幾度にも及ぶ練習があったからこそだと知った世良。

渡海はかつて市民病院で働いていたが、一郎の死去後に急に東城大に行くのだと言い出した。

その為に一生懸命になって必死に練習を重ねてきたのだ。

その話を聞いて、そして目の前にある大量の外科結びを見て、世良は胸が熱くなる。

■渡海の恨み

東城大で一郎と会話した旧館の庭に足を運ぶ渡海は、一郎の言葉を思い出す。

一郎:どんな医者になりたいんだ?

渡海:普通の医者でいいよ

一郎:どんな時代になろと人は変わらん 医者は医者だ

一郎:お前はそのままでいい

一郎:普通の医者になれ

渡海:なんだよそれ

何の変哲も無い親子の会話。そして笑いあうふたり。この時は平和だった。

渡海はただ一言『地獄に落とすか』と言い、木下との待ち合わせ場所に出かけた。

木下は東城大の特別個室の患者に看護師長が24時間体制でついているのだと話した。

飯沼の居場所が分かってもなかなか身動きが取れないのではと言う。

しかし、渡海はもう決めている。チャンスは1度きりだと言った。そこですべてが終わるのだと。

■理事長選前夜

来る理事長選を控えた前夜。場所を東京に移し、東城大医局メンバーは佐伯の勝利を願って食事会を開いていた。

その場に詰まらなそうに座る渡海をみて、佐伯は世良を呼ぶ。

佐伯は渡海を見張るように言った。東城大に帰るまで片時も離れるなと。

それに気付いていた渡海は席に世良が戻るとつぶやいた『無駄なことを』

黒崎から日本外科ジャーナルの池永がこの後来ることを佐伯に伝えると、佐伯は部屋で待つと言い席を立つ。

しかし、容態が急変するのだ。倒れる佐伯を一瞬笑顔で見つめた渡海。

その後渡海によりその場で緊急に処置がなされ、事なきを得た。

佐伯は部屋で目を覚まし、そのまま池永編集長を招き入れるように伝える。

だが次の瞬間、渡海がいないことに気が付いた。黒崎は渡海は世良と同じ部屋で休んでいると言い、それを聞き安心した佐伯。

その後、部屋で眠る渡海が勝手に出ていかないようにと、世良は部屋の通路に座り込むのだ。

しかし、眠ってしまいその間に渡海は脱出したのだった。

■理事長選当日

花房は申し送りの時間で外す看護師長に任され、飯沼達次につく。

看護師長が出ていくと同時に飯沼達次は機器を外し自分も出ていこうとする。

慌てて止める花房。代わりに飲み物を買いに走るのだった。

朝、目が覚めた世良は慌てて渡海のベッドに声をかけるがすでにもぬけの殻だった。

渡海はすでに東城大に戻り、飯沼達次の部屋に来ていた。

飲み物を購入し戻ってきた花房は、部屋の中から飯沼達次が『なんだよそのペアンってのは』と言う声に驚き慌てて部屋に入る。

しかし入り口で木下に止められてしまうのだ。

飯沼達次は『自分の主治医は佐伯先生で、何年もそうしてきたから自分は健康でいられているんだ』と言った。

その言葉で確信を得た渡海は過去に心臓の手術を執刀したのは佐伯だったのかと尋ねた。

飯沼達次はそれがなんだと言い返す。しかしこの言葉で飯沼達次の体内に残されたペアンは佐伯によるものだと確証付けられたのだ。

しかしここで飯沼達次の容態が急変する。

渡海の指示で木下は酸素をセットし、花房はレントゲンを取りに行った。

また佐伯から渡海が居なくなったことを聞いた看護師長も慌てて確認に走る。

佐伯は黒崎を呼ぶように世良に伝えた。

■ペアン発見の瞬間

レントゲン機器を押し、特別個室に向かう花房を発見した高階。

異変を感じ慌てて、特別個室に向かうとそこにはレントゲン撮影の用意をしている渡海が。

高階は渡海に状況の説明を仰ぐ。渡海はこの患者の胸の中にペアンが入っていると言った。

高階が渡海を止めようとしているところ、看護師長から着信が。高階は報告すると言い電話に出た。

『俺を信じろ』

渡海はたった一言そういった。

高階は言わなかった。そして渡海に何があったのか説明してほしいと言った。

渡海はレントゲンのスイッチを押し、タブレットに転送されたデータを高階に見せた。

『俺の親父はこの医療過誤を擦り付けられた』

『すべて佐伯の仕業だ』

動揺する高階と花房。

またすでに渡海から話を聞いていた木下は飯沼達次には過去の手術の証言をしてもらわないといけないと言った。

これまでの渡海の言動や佐伯に対する態度の意味を知った高階。

ペアンを取り出し患者を救わないといけないと言う渡海。

教授命令でこの場を任されている高階は迷うが、『必要ならルールは変えろ』を信念に渡海の考えに合わせることにしたのだった。

ブラックペアン最終回 医療過誤を暴け!

看護師長は慌てて飯沼達次の部屋へ走るがすでにそこにはいなかった。

渡海が動いたのだと確信し、看護師長が向かった先は手術室の様子を見れるモニターだった。

手術室ではすでに開局の準備が進められていた。

マイクで止めるように声をかけようとしたところに木下が妨害する。

木下は医療過誤を許さない。自身の過去の経験からその意思は確固たるものになっていた。

看護師長の脅しにも屈しない。逆に人が来れば佐伯教授の過去が暴かれると言い返すのだった。

『邪魔はさせない』

また手術室では、準備が整いこれから開始と言うところで猫田が花房に部屋を出るように言った。

猫田の言葉は厳しいがそれには裏があったのだ。渡海も悪役を買う猫田に胸を痛めるような顔をした。

高階は説明する。

『教授の患者を勝手にオペするんだ』

『キミは才能ある優秀な看護師だ』

『将来を大事にしろ』

猫田は花房を想って出ていけと怒鳴るのだった。

頭を下げて花房は出ていった。

■理事長選スピーチが始まる

理事長選は始まり、冒頭の挨拶は池永編集長が務めた。

佐伯は黒崎から指示していたものの準備ができたと伝言を受ける。

まずは西崎教授のスピーチ。

彼は国産ダーウィンを用いることで、数多くの患者を救う事が出来るのだと言った。

腕のある医者は限られている。その医者が救える患者は何人いるのかと。

国産ダーウィンであるカエサルを使えば全ての医者が精密な手術を行うことができ、より多くの患者を救えるのだと理事たちに訴えた。

より多くの患者を救うためには最新の医療を取り入れ、特別な外科医に頼るだけではいけない。万人のための医療の実現が必要不可欠なのだと。

そして15分の休憩。しかしその場に佐伯はもう居なかった。

■ペアン摘出手術

長年体内に留置されたペアンは組織との癒着が酷くそれを剥がすことに大変な時間を要した。

そして、見えてきたペアン。本当に胸にペアンがあったことを目にした高階は驚きを隠せない。

次の瞬間渡海がペアンを外そうと指をかけ開いた瞬間、出血しだし、血圧が一気に低下したのだ。

人での足りない手術室、サテンスキーが必要だがその場にない。助手である猫田が動かざるを得なく、高階が止血に回る。

しかし緊急を要するその瞬間、サテンスキーを手にした花房が戻ってきたのだった。

処分されるかもしれない手術。しかしこの場に戻ってきた花房に驚く渡海・高階・そして猫田の3人。

花房は自分がケアを任された患者なのだと言い、猫田に渡海のサポートに専念し、自分が外回りをすべてやると言い切った。

その後、一時的に状況はおさまったが、渡海は何としてもこのペアンを摘出したい。

しかし癒着が酷く思うように取れないのだ。

癒着部分を焼き切ろうとするが、患者の体力勝負でもある。

渡海はこれで全てが終わると思っていた。

手術を成功させ、ペアンを取り出し、佐伯の悪事を暴く。

手術室の状況を見て止めに行こうとする看護師長を木下は遮る。

その時、手術室のドアが開き、車いすに乗った佐伯とそれを押す世良が現れたのだ。

佐伯は『やめろ』と声をかけた。

驚く面々に佐伯はドクターヘリで戻ってきたと言った。

理事長選では佐伯に代わり黒崎がスピーチを務める。

佐伯は続ける。『そのペアンをはずすな』と。

しかし渡海は手を止めない。その声は恐々としたものさえにじみ出ていた。

『親父 もうすぐ終わるぞ』

『親父のすべてを奪ったこのペアンで 今度はお前がすべて失うんだよ』

癒着した組織を焼き切り、再びペアンに手をかけた渡海に佐伯は『やめろ!』と叫ぶ。

その声に渡海以外の全員が振り返った。

取り出されたペアン。

しかしその瞬間、大量の血が噴き出したのだ。

『地獄の扉をあけたな』

佐伯は自分が処置をすると立ち上がり、渡海にどくように命じた。

渡海は素直にそこをどく。渡海には自分ではめられない事を悟ったのだ。

ペアンの真相

佐伯は説明する。

これは置忘れではないのだと。

当時、容態を急変し緊急のオペが必要になった飯沼達次を処置するため佐伯は手術するが、この日は運悪く近くで起こった事故で手術室も医療機器も不十分なままで行うしかなかったのだ。

そして、佐伯はどうしても飯沼の出血を止めることが出来ず、やむを得ずペアンを留置したまま処置を終えることしか出来なった。

その後、佐伯はアフリカでの長期の医療支援に行かざるを得なく、病院を不在にした。

しかしそこに無事に退院させたはずの飯沼達次が急患で運ばれてきたのだった。

その対応をしたのが渡海の父、一郎だった。

一郎はこの事態を佐伯に連絡するが、連絡手段の限られた状況で出来るのは電報をうつだけだったのだ。

『飯沼さんのペアンを取り出すな 私を信じてください』

一郎はこのペアンが処置に必要だったと理解し、ペアンを留置したまま手術を終えたのだ。

しかし、一郎が飯沼達次のレントゲン写真を見ていたところに偶然黒崎が居合わせ、みてしまったのだ。

直後、医療過誤が指摘されて、一郎は非難を浴びた。

一郎は反論することなく、自分の執刀ミスだと言い東城大を去っていった。

佐伯は帰国後にそのことを知らされた。しかしその時にはすでに一郎は病に侵され亡くなってしまっていたのだ。

一郎は佐伯に手紙をしたためていた。

『我が盟友 佐伯清剛君へ

 何も言わなくていい

 医者は患者の事だけ考えろ

 人を救え

 飯沼さんを救え

 君にすべてを託す

        渡海一郎』

すでに自身の余命がわずかだと知っていた一郎は佐伯をかばい、医療過誤の罪を一身に背負い亡くなっていたのだった。

これが真相のすべてだった。

すべて私の責任ですって言ってくれたら、父はあんな思いをして死ぬことなんてなかったと渡海は言った。

佐伯は自分が首になってすべて解決するのなら、そうしたと言う。

しかしそうなったら誰が飯沼を治すことができるのか。

だから誰にも言うわけにはいかなかったのだ。

ブラックペアンはそのためのものだ。そして佐伯自身への戒めでもある。

佐伯はブラックペアンを使う時は外科医を辞めるときだと言った。

ブラックペアンを使うのは、自分ひとりで十分だと言い、佐伯は看護師長に指示をだす。

『ブラックペアンを』

出血は止まり、佐伯はこのまま閉胸するように指示をだした。

■真相は渡海にとってつらいものだったのか

立ち去ろうとする渡海に佐伯は言う。

『医者は完ぺきではない』

渡海はそのまま手術室を出ていった。

閉胸するように言われ戸惑う高階。

佐伯はブラックペアンは特殊なカーボン製でレントゲンには映らず、燃やせば灰になると言った。

教授命令と言われ高階は閉胸を始めた。

ブラックペアンは役目を終えた。私もだ。

そう言うと、佐伯の容態は再び急変したのだ。

佐伯は大動脈解離を起こしたのだ。

世良は渡海を探しに手術室を飛び出した。

電話をかけるも留守番電話になる。世良は思いを託しメッセージを残した。

■本当の闘い

一方理事長選では黒崎が慣れないスピーチに苦戦していた。

論文では佐伯の有利だったが、一転して立場が変わろうとしていたのだ。

黒崎は佐伯が急ぎ病院に戻らなくてはならなくなったことを言ったが、西崎はそれを利用して自分優位に話し出す。

西崎は佐伯が戻らないのならこのまま投票に入るように言う。

しかしそこで手をあげたのは池永編集長だった。

池永は『佐伯先生に代わり私にお時間いただきたい』と言って登壇するのだった。

池永は前夜、佐伯と話したことを言った。

医者は常に謙虚でいないといけない。

外科医にも最新の医療にも限界はある。命を前にしてあまりにも頼りない。

だからこそその両輪で補いあい、高めあわないといけない。

未来の多くの患者を救う最新の研究。

目の前で苦しむ患者を救う最高の腕。

その二つが欠けてはならない。

反目するふたつの志を共存することがこれからの医療には必要なのだ。佐伯はそれを目指しているのだと池永は言った。

研究をするのも腕を磨くのも人だ。不完全な人が完璧を目指すからこそ、医療は進化する。

それが佐伯の想いであり願いだと。

その後、運命の投票が始まる。

■佐伯を救え

手術室では、戻ってきた世良も加わり佐伯の処置にあたる。

開胸するとすでに激しく出血しており予断を許さない状況だ。

その後状況はどんどんと悪い方向へ向かい、ついに心停止のアラームが鳴りだしたのだ。

心臓マッサージをするも心拍は戻らない。

携帯のメッセージに気付いた渡海。

世良は佐伯が倒れた時に言った言葉をメッセージに残した。

『渡海に・・・

 そのままでいい

 普通でいい

 医者は患者の事だけを考えろ

 救え

 ただ人を救え

 お前にすべてを託す』

そういって意識を失ったのだった。

戻らない心拍。

諦めたら終わる。諦めたら・・・。

高階の手が止まる。

まだ終わっていないと叫ぶ世良。そして駆け出す。

まだ終わってない。まだ。終わってませんよね・・・。

涙でにじむ目の前には渡海がこちらに向かって歩いてきてる姿だった。

『邪魔』

お決まりのセリフに救われ世良は涙してついていく。

手術室に戻った渡海を加え処置が加速する。

その勢いと過激な指示はいつもの渡海だ。

渡海は『こういう時の声は届くぞ』と皆に佐伯に声掛けをするように促した。

そして心肺蘇生を試みるのだった。

『戻ってこい』

皆が叫ぶ中、渡海も声をかける。

そして・・・

動き出した心拍と回復してきた血圧。

渡海の顔は安堵そのものだった。

一方、理事長選では池永のスピーチが功をなして、1票差で東城大佐伯教授が勝利した。

■消えた渡海

目を覚ました佐伯教授。

どうして助けた?と渡海に聞いた。

渡海は黙っている。

佐伯は罪滅ぼしのために、渡海を東城大に引き入れたが、渡海はすでに計り知れない外科医としての腕を持ち合わせていた。

そんな渡海を見て、佐伯は自分を恨むことで腕を磨き続け成長する渡海を、もっと見ていたいと思った。

そしてお前の望み通り死んでも良かったのだと言った。

部屋を出ていこうとする渡海に声をかけると返ってきたのは・・・

『そのままでいい

 普通でいい
 
 医者は患者の事だけ考えろ

 救え

 ただ人を救え

 俺の尊敬する

 尊敬する医者の言葉です』

そういって一礼して渡海は出ていった。

佐伯は涙した。渡海は自分を許してくれていたのだ。

渡海は病院を出ていく決意をしていた。

それを察していた世良は、僕はどうなるんだ!?と必死に引き留める。

しかし、渡海は止まらない。

1億円は要らないのか!?と強引な言葉も使う。

そして自分をこき使っていいし、命令していいから出ていかないでと懇願する世良。

渡海はこのままだと通してくれないと思い、了承したようにふるまった。

世良は言いつけ通りに米を炊きに行く。

その背を見送って渡海は

『じゃあな

 お前はいい医者になれ』

と言い、去っていった。

■その後の東城大

佐伯教授は復帰すると、理事長職に就いたが、必要な組織改革を行った後はあっさりと理事長職を他の大学病院に譲り、自身は後世の指導に努めた。

高階は西崎と佐伯二人の意思を引き継ぎ、佐伯外科で研究を続けていた。

そして、渡海が手に入れたお金の使い方を木下から聞かされた花房と世良。

渡海は医療過誤で苦しむ患者の団体に寄付していたのだ。

猫田の携帯画面にはその内容を示すメッセージが表示されている。

医局の仮眠室では渡海の米好きを受け継いで、花房と木下がご飯を食べている。

世良にも声をかけるが、世良は渡海が戻ってくるまで絶対に食べないと誓う。

渡海と一緒に食べるのだそうだ。

そして木下は振り込み人不明のお金が振り込まれたことを思い出して話した。

その額1千万・・・。

渡海はまだどこかで外科医をしているのだと知り嬉しそうな顔をした世良だった。

まとめ

人気ドラマだけあって、最後までハラハラした展開でしたね。

そして、原作と違うのは、渡海が佐伯を許し、心に持った闇を拭い去って出ていったこと。

結局渡海は東城大を辞めてしまったが、それでもまだ志をもって外科医をしている様子が最後に描かれれいたのが良かったです。

また最後に『どこかであいましょう』のテロップは期待しちゃいますね!

映画なのかseason2なのか、続編なのか、番外編なのか。

続報が楽しみです!

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