毎日の残業や、深夜の育児等で十分な睡眠時間が取れないと感じている人が多いと問題になりつつある睡眠事情。
逆に毎日6時間しっかりと寝ているはずなのに、朝起きた後に何故か疲れが取れていないと感じる人もいます。
睡眠は人生の1/3を費やすと言われており、睡眠のとり方次第で起きている時間の質も大きく変わってきます。
しっかりと質の良い睡眠をとる事で1日の体の疲れや脳への刺激をリセットする事ができます。
まとまった時間を確保するのが難しい人、またしっかり寝ても疲れが取れないと感じる人それぞれに有効なのが、睡眠のクオリティをあげるということです。
時間がなく6時間睡眠が難しくても、質の高い睡眠が出来れば朝起きた時にスッキリとした気分を感じることが出来るでしょう。
また6時間しっかり寝ても疲れが取れない人も同様で、睡眠の質を見直すことが疲労回復につながります。
このサイトでは睡眠の質を高める方法について解説していきます。
睡眠不足は日中の脳や体の働きを低下させる原因になる
睡眠負債という言葉をご存知でしょうか。近年、睡眠に関する情報がメディアで取り上げられるようになってきて耳にする機会が増えた言葉です。
これは日々の睡眠時間が不足することが影響して、心身に対し深刻なマイナス要因をもたらしそれが積み重なっていく状態を言います。
睡眠負債があることが日々生活をする中で私たちにどんな影響をもたらすのでしょうか。
■マイクロスリープ現象
体や脳が限界を感じ、引き起こす防御反応ともいわれている現象です。これは瞬間居眠りというもので、無意識に数秒程度の本当に短い眠りを行います。
数秒の事なので、本人も周りも気づかないことが多いとされるこのマイクロスリープ現象は突発的、また極端な睡眠不足が原因ではなく、日々の睡眠負債の積み重ねが引き起こすそうです。
何もないときに数秒起こるくらいなら、支障は無いように思いますが、マイクロスリープ現象の原因とされる睡眠負債はアルツハイマー型認知症や肥満、糖尿病、高血圧や生活習慣病の原因にもなり得るものです。
また、運転中や、高所や危険な作業をしているときにマイクロスリープ現象が起きたら命に関わる惨事に発展することは容易に想像できます。
このような症状が出てきた人は要注意です。速やかに睡眠の質を見直して心身の回復につながるよう改善を図る必要があります。
質の良い睡眠とは?深い睡眠はしっかりと熟睡が出来ている
睡眠不足が良くないことは分かっていますが、睡眠時間を大幅に増やすということは大体の人が難しいと思います。
かといって、週末にまとめて寝る[寝だめ]は睡眠負債を改善することにはつながりません。
そこで重要なのが睡眠の質を高くすることです。
睡眠時間を十分に確保している人も、睡眠時間がしっかりと取れない人も、この睡眠の質をあげることが出来れば日中のパフォーマンスを高めることが可能になります。
■睡眠の質は最初の90分にかかっている
眠りには[レム睡眠=脳は起きているが体は眠っている睡眠]と[ノンレム睡眠=脳も身体も眠っている睡眠]の2種類があることはご存知ですね。
睡眠というのは、このレム睡眠とノンレム睡眠を交互に繰り返すサイクルを言います。
寝付くと最初に[ノンレム睡眠]が訪れます。この最初のノンレム睡眠は睡眠全体の中で最も眠りが深く、この段階の人を起こすのは難しいほど深く眠った状態です。
その次に、約90分後に最初の[レム睡眠]がやってきます。閉じた瞼の下で眼球が動く[急速眼球運動]がみられ、夢を見るのもこのタイミングです。
この[ノンレム睡眠]と[レム睡眠]が明け方くらいまでに数回繰り返されるのが通常の睡眠のパターンです。
そして[ノンレム睡眠]は明け方に近づくにつれて浅くなり、時間も短くなっていきます。逆に[レム睡眠]は明け方に近づくほど持続する時間が長くなり、浅くて長い明け方のレム睡眠の時に目が覚めるのが自然の流れです。
睡眠の質を高めるためには【最初のノンレム睡眠】をいかに深くとることができるかがポイントになり、ここで深く眠ることが出来ればその後の睡眠のリズムが整います。
結果、自律神経やホルモンの働きを良くし、翌日の日中の心身のパフォーマンスを向上させることにつながるのです。
逆に最初の[ノンレム睡眠]でしっかりと深い眠りにつけなければ、その後どんなに長く寝ても自律神経が乱れ、体内のホルモンの分泌も狂いが生じることになります。
睡眠の質を上げるにはライフサイクルそのものを見直すことが大事
睡眠の質を上げるには、やはり生活のサイクルを見直すことが大切です。
朝、起床したら窓辺で光を浴びることで寝ている間にたまった睡眠物質を減らし脳の働きを潤滑にしましょう。
光を浴びる時間は多く取れる方が良いです。通勤は駅まで歩くようにして時間を確保する方法もあります。
起床から大体6時間。お昼ごはんの後には約10分程度の仮眠をとりましょう。
横になるのではなく、椅子に座ったまま静かに目を閉じて脳を休ませるように意識してみましょう。
長くても15分以内に止めることがポイントです。30分以上になると夜間の睡眠と同じように脳波が出てしまい起きるのがつらくなります。
起床から約11時間が経つことには、深部体温が下がり一番眠くなる時間帯になります。
背筋をしっかりと伸ばして肩甲骨を下げて肛門を締めるように意識した姿勢を保つことで深部体温をあげる事が出来ます。
食事は寝る3時間前には終わらせ、入浴は布団に入る1時間前にまでには済ませ、深部体温が下がってきてから就寝するようにしましょう。
寝る前はスマホやテレビも消して静かな環境で心を落ち着かせ、眼を休ませましょう。
気になることがあればこの時点でメモに書くなどしておき、色々と考えてしまうのをやめます。
■1番大切なのは起床時間です
二度寝しても、寝る時間がバラバラでも起きる時間は毎日同じ時間になるようにすることが大切です。
平日睡眠時間が確保できないからと、休日の朝遅くまで寝てしまう人もいるかと思いますが、それはNGです。
起床時間を遅らせるのではなく、寝る時間を早めるようにするようにしましょう。
起床時間を遅らせることは生活リズムを崩す1番の原因になります。
まとめ
いかがでしょうか。
最初の90分の眠りの質を高めれば、スッキリとした朝を迎えられるし、日中の眠気の軽減にもつながります。
しっかりと寝たはずなのに疲れが取れないということもなくなるのです。
また忙しくて十分な睡眠時間をとれない人ほど、この90分の質は下げないように気を付けなければなりません。
ただし、この90分の質が良くても毎日睡眠時間が2~3時間というのは良いわけではありません。
睡眠時間は6時間はとることが大切とされています。
毎日は難しくても、普段の生活を見直してしっかりと睡眠時間を確保するように気持ちを切り替えることは必須です。
近年では積み重なった睡眠負債が健康にも影響を及ぼすことがわかってきて、忙しくしっかりと睡眠時間を確保できない現代人には深刻な問題に直結するかもしれません。
このサイトを参考に一度ご自身の睡眠を見直し、改善していくようにしましょう。
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