京都祇園祭の行事と日程は?おすすめの見どころやイベントをご紹介

イベント・祭

京都の祇園祭は、大阪の「天神祭」や東京の「神田祭」と並ぶ、日本三大祭の一つです。

祇園祭に参加するためにこの時期に京都を訪れる予定にしている方も多いのではないでしょうか。

とは言っても、祇園祭の開催期間は1ヶ月と長く、またその中で期間を区切って様々な行事が行われるため、どの行事に参加するのかを決めておいた方が良いかもしれません。

そこで祇園祭の行事や日程、そして祇園祭の見どころをご紹介します。

※祇園祭は、京都で古くから続けられている八坂神社のお祭りで、毎年7月1日より1ヶ月に渡る開催期間中に沢山の祭行事やイベントが行われます。

  

祇園祭の行事とは?期間ごとに開催される様々な行事はこちら

7月1日~5日

・吉符入り(きっぷいり)

神事初めの日で、各山鉾町では関係者が町会場に集まり祭の無事を祈願します。日時は山鉾町により異なり5日頃までに行われます。
(吉符入りとは神事の初めの意味で、この日から約1ヶ月に及ぶ祇園祭が始まります)

・二階囃子

吉符入りの済んだ山鉾町ではその夜から町会場の二階で囃子の練習を始めます。

・長刀鉾稚児お千度

長刀鉾と稚児と禿、町役員らが八坂神社の本殿を回ってお千度をし、稚児に選ばれたことを神前に報告するとともに祭礼中の無事を祈願します。

7月2日

・鬮取り式(くじとりしき)

午前10時に京都市義堂において。京都市長立会いの下、巡行に参加する山鉾の順番を鬮で決めます。

7月3日

・船鉾町新面改め

船鉾町の吉符入りの日で、船鉾の御神体である神功皇后が付ける新面に異常がないことを確認する儀式です。

7月5日

・稚児舞披露

長刀鉾町の吉符入りの日で、稚児が町中の人々に紹介された後、稚児舞を披露します。

7月7日

・綾傘鉾稚児社参

綾傘鉾稚児六人が八坂神社に社参し、祭りの無事を祈願します。

7月8日

・みやび会お千度

花笠巡行に参加する京舞井上流「みやび会」の舞妓・芸妓さんたちが八坂神社でご祈祷を受け、お千度をし、祭りの無事を祈願します。

7月10日

・神事用水清祓い

午前、神輿洗いに使用する水を鴨川から汲み上げ、四条大和大路にある仲源寺に運んでお祓いをします。

・お迎え提灯

夕方、神輿洗いの神輿を迎えるために、氏子の諸団体が提灯行列で市内を練り歩きます。
行列はお先太鼓を先頭に、提灯や祇園囃子、児武者、獅子舞、小町踊り、子供鷹舞などが続き、八坂神社から市役所、四条御所を経て神社に戻る行程を歩きます。

・神輿洗い

夜になり、渡御に出る3基の神輿のうち中御座の神輿を八坂神社から四条大橋まで担ぎ出し、鴨川から汲み上げた「神用水」神輿を洗い清めます。この神水を浴びると厄除けになると言われています。

7月10日~13日

・清祓い

各山鉾町でお祭りの無事を祈願するため、神官によって清祓いが行われます。

・前祭鉾建て

鉾や曳き山を組み立てる鉾建てが行われます。鉾の完成には3日間かかります。

・鉾曳き初め

鉾が建つと試し曳きが行われます。この日は子供や女性も曳くことができ、縄を曳くと厄除けになると言われています。

7月12日

・露天神山半万燈際

露天神山では25年ごとに半万燈際といわれる神事が営まれます。前回は1997年に行われました。

7月13日

・長刀鉾稚児社参

午前、長刀鉾稚児が八坂神社に参拝し、五位少将・十万石大名相当の格式を授かります。「お位貰いの儀」と呼ばれています。

・久世駒形稚児社参

午後、京都市南区上久世の綾戸国中神社から神輿渡御に供奉する二人の稚児が馬に乗って社参します。

7月12日~15日

・前祭山建

各山鉾町で山の組み立てが行われます。

・町会所飾りつけ

町会所に山鉾の御神体や懸装品の飾り付けが行われます。

7月13日~16日

・祇園囃子

各山鉾で祇園囃子が演じられます。

・菊水鉾町の茶会

菊水鉾町では町会所で稚児人形を前に茶会が開かれます。

7月14日

・一里塚松飾式

午後、長刀鉾稚児と町役員が松原麩屋町西入るの松原中之町へ行き、神酒神神饌を献じます。

7月14日~16日

・前祭宵山/飾り席

各山鉾町では山鉾を飾り、祇園囃子を奏で、名家においても家宝、屏風などを美しく飾ります(屏風祭)。夜店が建ち並び、歩行者天国の中、祇園祭情緒が祇園囃子の音とともに盛り上がります。

・屏風祭

宵山に各鉾町の旧家では、秘蔵の屏風や書画を飾り、表の格子を外して道行く人に見てもらいます。

7月15日

・斎竹建て

早朝、東洞院高辻上がるの高橋町の人々が、四条麩屋町に斎竹を建てます。17日の朝には、この斎竹に注連縄が張られます。

・御手洗井戸開き

烏丸錦小路上がるの御手洗町は祇園社の御旅所があった地と伝えられ、その御手洗井の水が手洗い・漱ぎに供されていました。

・宵宮祭

夜、八坂神社の3基の神輿に神霊がうつされます。

7月15日~16日

・奉賛行事

八坂神社では15日午後に日本伝統芸能団により今様、詩吟、琵琶、日本舞踊などが奉納されます。
16日夕方には鷹舞、祇園田楽、石見神楽などが奉納されます。

7月16日

・献茶祭

午前中、表・裏の両千家が毎年交互に八坂神社本殿で茶を点て献上します。
1946年表千家により始まり、51年から裏千家も加わりました。

・役行者山護摩焚き供養

午後、聖護院から山伏が役行者山に来て、護摩焚き供養が行われます。

・日和神楽

夜、明日の巡行中の晴天を祈願して、各山鉾町の囃子方が四条寺町の御旅所まで祇園囃子を奏でながら練り歩きます。御旅所でお祓いを受け、囃子を奉納します。

・あばれ観音

夜、南観音山で祭神の楊柳観音像を布で台座に縛り付け、町内を担いで走り回ります。

7月17日

・山飾り

早朝、各山鉾では町会所に飾っていた御神体や懸装品を山鉾に飾り付けます。

・前祭山鉾巡行

午前中より長刀鉾を先頭に鬮の順に従って23基に山鉾が四条通、河原町通、御池通を巡行します。
途中、鬮検め、注連縄切り、八坂神社遥拝などが行われます。各山鉾では祇園囃子を演奏し、綾傘鉾、四条傘鉾では棒舞囃子を踊ります。

・神幸祭

夕方、八坂神社から3基の神輿を舁ぎ出し、各別に氏子区域を巡回して四条御旅所に渡御して安置します。中御座は久世駒形稚児が先導します。神輿の渡御とは別に宮本講社の人より、勅板、楯、弓、矢、琴の神宝を供奉して行列する「宮本行列」が神社から御旅所へ向かいます。

7月17日~21日

・後祭山鉾建て

鉾や曳き山を組み立てる鉾建てが行われます。

7月21日~23日

・無言詣

花街のきれいどころが心願成就のため四条御旅所に参拝します。この時は知人に会っても口をきいてはいけないと言われるため「無言詣」と呼ばれています。

7月21日~23日

・後祭宵山/飾り席

各山鉾町では山鉾を飾り、祇園囃子を奏で、各家においても家宝、屏風などを美しく飾ります(屏風祭)

7月23日

・煎茶献茶祭

午前中、八坂神社で煎茶の献茶祭が行われます。

・オハケ神事

三条新町にある三条御供社の鳥居前に、三本の幣と芝を植え、四隅に斎竹を飾った「オハケ」を作り、お祓いをします。

7月24日

・後祭山鉾巡行

午前中より、橋弁慶山を先頭に、鬮の順に従って10基の山鉾が御池通、河原町通、四条通を巡行します。

・花傘巡行

獅子舞、花街の踊子屋台、鷹舞、子供神輿、祇園神楽、児武者、祇園太鼓、祇園囃子などが参加し、市役所前から四条御旅所を経由して八坂神社まで巡行します。到着後、境内でそれぞれの芸が奉納されます。

・還幸祭

夕方、神輿が御旅所から舁ぎ出され、それぞれ別々に旧大政所御旅所、三条御供社を経て氏子区域を巡行し、八坂神社に還御します。

7月25日

・狂言奉納

夕方、茂山社中の奉仕によって八坂神社の能楽殿で狂言が奉納されます。

7月28日

・神輿洗い

夜、10日と同じように神輿洗いが行われます。

7月29日

・神事済奉告祭

午後、八坂神社に宮本講社役員が集まり、一切の行事が終了したことを神に告げます。

7月31日

・疫神社祭(夏越祭)

八坂神社の境内、疫神社の鳥居に大きな芽の輪を付け、輪を潜り抜けて厄除けを祈願します。

祇園祭と言ったらやっぱり山鉾巡行

祇園祭と言えば山鉾巡行と言われるように宵山と並んで祇園祭では欠かすことができない最大の祭行事です。
また一番混みあうのもこの山鉾巡行ではないでしょうか。

山鉾巡行は、17日の夕方から行われる神幸祭(神輿渡御)と24日の還幸祭に先立ち、17日の前祭と24日の後祭の2つに分かれて八坂神社で行われます。
京都市内の中京や下京地区の町民がそれぞれの町に伝わる山や鉾を引っ張って市内を練り歩きます。

また、山鉾の巡行する順番は鬮によって決められますが、長刀鉾は必ず先頭と決まっています。
籤を引く必要がないので前祭りの山鉾巡行では、“籤取らず”の長刀鉾を先頭にして、23基の山鉾が都大路を巡行します。
巡行順路は、四条烏丸を午前9時に出発して、四条河原町、河原町御池を経由して新町御池に11時30分頃到着します。

また後祭の順路は前祭りとは逆に行われ、橋弁慶山を先頭に10基の山鉾が烏丸御池を午前9時30分に出発して、河原町御池、四条河原町を経由して四条烏丸に11時30分頃に到着します。

※時間は変更になる場合があります。

山鉾巡行の見どころといえば、豪華絢爛な山鉾の辻回しではないでしょうか。
長刀鉾は豪華な金箔の鯱鉾と水引が正面の屋根に飾られ、江戸時代の著名な画家である伊藤若沖のデザインによる鳳凰が後ろに描かれ、14世紀頃の絨毯で作られた同掛と呼ばれている長刀鉾が横に飾られています。
山鉾巡行の囃子のリズムは町内によって異なります。絢爛豪華な長刀鉾の鑑賞とあわせてそれぞれの囃子を聞き比べてみて楽しむこともできます。

また、迫力のある辻回しは巡行の見物客を大変魅了します。
辻回しとは、山鉾の方向転換です。約10トンある山鉾の向きを変えるために青竹を道路に敷き、その上に水をかけて大勢の曳子が観衆の大きな掛け声とともに方向転換させます。観ていると思わず歓喜の声が漏れますよ。

辻回しが見られる場所は、混み合う四条河原町交差点、河原町御池交差点、新町御池交差点の3か所です。数時間前から場所を確保している見物客もいるくらい人気のイベントです。

祇園祭のみどころ言えば宵山

祇園祭と言えば宵山と言われるように、山鉾巡行と並び、祇園祭で欠かすことができない祭行事の一つです。

宵山は、7月17日の前祭と24日の後祭に行われる山鉾巡行の前々日から3日間に渡って行われる前夜祭のような祭で、山鉾巡行に続いて観客数が多い人気の祭行事です。

前祭の宵山は、14日の宵々々山から16日の宵山までの3日間開催され、夕方になると吊るした駒形提灯に火がともった山鉾に「コ・ン・チ・キ」の音色の祇園囃子を伴い、市街を引っ張って歩きます。
前祭りの宵山の15日と16日は夜になると露店や屋台が沿道に並ぶので観客が多いので、18時から23時頃まで四条通りの八坂神社から堀川までは、歩行者天国になります。
後祭の宵山は、21日の宵々々山から23日の宵山までの3日間開催され、前祭の宵山ほど賑わいはないですが、1100年以上に渡って続いている京都の伝統的な宵山の風景を見ることができます。

祇園祭の名物、笹で作られた“食べない”ちまきは、宵山期間中に購入できます。ちまきは、祇園祭の厄除けのお守りなので、玄関先に飾るとご利益があります。
ちまきは八坂神社と各町内にある山鉾の組立場所で購入出来ますが、屋台や露店では購入出来ません。山鉾巡行の先頭に立つ長刀鉾の組立場所では、厄除けと疫病除けにご利益のあるちまきが13日の昼頃から、他の山鉾の組立場所では14日から販売されますが、すぐに売り切れてしまいます。
ちまきは後祭の宵山でも購入することができますが八坂神社では、祇園祭の期間中に購入出来ます。

また、ちまきのご利益はそれぞれの山鉾によって異なるので、自分が求めているご利益がある山鉾を探すのもおすすめです。

屏風祭は、前祭の宵山期間中に市内の老舗や旧家が所蔵している美術調度品を一般公開する祭りです。
屏風祭では、芸術性の高い武具類や着物、代々受け継がれてきている重要無形文化財級の美術工芸品なども展示されているので、京都の人々が受け継いでいる伝統文化と今日まで祇園祭りを支えてきた人々の暮らしぶりに触れることができます。

前祭りの宵山では、夜になると提灯の灯りが灯された豪華絢爛な山鉾の光景がみどころとなっていますが、中でも宵山の函谷鉾と呼ばれる鉾の提灯落としは大変人気です。
函谷鉾の提灯落としは、祇園囃子の演奏が速くなって周りの雰囲気が最高潮に達すると終わり、同時に鉾に吊るしてある駒形提灯の灯りが一気に落とされ幻想的な美しい光景を楽しめます。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

日本三大祭りとして、また京都の三大祭りとしても有名な祇園祭は、国内だけでなく海外からもたくさんの観光客が来られるほど有名で人気のある祭です。
この古い歴史をもつ祇園祭の山鉾行事はユネスコ無形文化遺産に登録されています。
祭のハイライトは7月17日と24日に行われる山鉾巡行ですが、それ以外にも1ヶ月間様々な行事が行われ、古くから地元の人に愛されています。
期間が長いのですべてを1度で見ることは難しいかもしれませんが、ぜひ1度は祇園祭のそれぞれの行事を観てみてください。

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