梅雨が明けて夏本番を迎え、今年の夏休みも目前に迫ってきましたね。
小学校最後の夏休みは毎日遊んでとことん満喫しよう!と思っている子も、ちゃんと宿題を先にやってしまおう!と計画的な子も、共通してあるのが『夏休みの宿題』です。
しかも6年生にもなると量も多く、毎日やらないといけない日記や、長い本を読んで書く読書感想文は結構な負担になる事も。
そこでこのサイトでは『小学6年生の読書感想文』におすすめな本を3冊ご紹介します。
どの本もとても読みやすくてあっという間に読み終わってしまいますよ。またそれぞれの本のポイントもしっかり押さえておきましょう。
赤ちゃんからお年寄りまで全ての人が平等に持っている『24時間』。
自分の時間なのだから、それを自由に使うのは当たり前かもしれません。
だけど、もし、自分でも知らないうちに時間が盗まれていたとしたら!?
何処からともなくやってきたモモは町の円形劇場の廃墟に住んでいます。
モモは、ボロボロの服にボサボサの巻き毛の小さな女の子。しかし、とても豊かな想像力と特別な力をもっているのです。
悩み事がある時にモモに話を聞いてもらうと、その悩みがスッと消えてしまい解決してしまいます。
ある日、町に灰色の男たちが現れるのです。ここからすべてが変わっていきました。
この男たちは『時間貯蓄銀行』からやってきて、人間の時間を盗んでいくのです。
時間を盗まれた人たちは時間を節約するために毎日せかせかと生活するように変わっていきます。
そして人生を楽しむことを忘れていってしまうのです。だけどその節約した時間は男たちによて盗まれているのでした。
人々の異変に気が付いたモモは、みんなにそのことを伝えようとしたところ灰色の男たちに狙われることになってしまうのでした。
モモは不気味で恐ろしい男たちに一人で立ち向かいます。
そんなモモを独りぼっちにしようと灰色の男たちはズルイ作戦を仕掛けてきます。
ひとり戦うモモに、時間をつかさどる不思議な老人 マイスター・ホラと少し先の未来を見通せるカメのカシオペアが手を差し伸べます。
時間を奪われて心の余裕を無くした人たちを助けるために、仲間とともに紛争するモモの物語です。
■モモは何を伝えたいのか。
マイスター・ホラとカシオペア、そしてモモの哲学的なやり取りに、気付くことがあるでしょう。
すこし抽象的でしっかり考えないと難しいかもしれないマイスター・ホラの哲学的な話は何回か読んでしっかり理解を深めたい所です。
本を通して読む人に問いかけているのは『時間とは毎日の生活のことで、そしてその人自身』なのだということ。
時間に追われて、本来の生き方ができなくなっている現代人に『時間とはなにか』・『本当の豊かさとは』と問いかけ、読み進めていくうちに、気付きをもたらしてくれる1冊です。
10歳のオーガスト・プルマンは、スターウォーズにワクワクして、ゲームが好き。寝る前の読書は日課で、飼い犬のデイジーとも仲良しです。
オーガストは何処にでもいる、10歳の普通の少年です。たった一つを除いて。
『僕の名前はオーガスト。外見については説明しない。きみがどう想像したって、きっとそれよりひどいから』
オーガストのこの言葉の意味は、遺伝性の病気を持って生まれたことが原因です。
普通の人と顔の作りが大きく異なっているオーガストは、街を歩けばぎょっとして目を逸らしたりする人、中には悲鳴を上げる人がいたり、そして時には声を潜めてオーガストを悪く言う人がいたり・・・。
これまで何度も形成手術を行ってきたせいで、1度も学校に通ったことがないオーガストは、両親からの強い勧めで今年から学校に通うことになります。
しかし、学校のクラスメイトや生徒たちはオーガストを避けて、かげでうわさ話をしたり、意地悪なことをいう子供もでてきます。
普段はオーガストと話す子ですら、すこし手が触れただけですぐにその手を洗いに行ってしまうのです。
それでもオーガストは学校に通うことを『楽しい』と感じています。
それは入学してすぐに仲良くなった親友のジャックがいたからです。
ジャックとは一緒に授業をうけたり、時には冗談を言って笑いあったりしていました。
そんなある日、オーガストは親友のジャックがかげで自分の悪口を言っているのを聞いてしまったのです。
『僕がすごく普通だってわかっているのは、世界中でただ一人、僕だけなんだ』
10歳のオーガストは何処にでもいる普通の男の子なんです。
普通に傷つくし、普通に泣きます。そして楽しいときは普通に笑う。
この本はそんなオーガストが繰り広げる『ふつうじゃない』奇跡の物語です。
■この物語の主なテーマは『親切』というものです。
作中に登場するこの言葉がとても印象的です。
『正しいことをするか、親切なことをするか、どちらかを選ぶときには、親切を選べ』
物語のなかで描かれる、『オーガストの痛み』はそのほとんどが、オーガストに対してわざと意地悪をしようとは考えていない人からもたらされるものなのです。
それは『関わらないように避ける』とか『周りがしていることと同じように接する』という、行動をとる人が大多数なのだということです。
そして、この作品で言われている『親切』というのは、そんなに難しい事ではないのです。
ただ、あいさつをするとか、ただ、みんなと同じようにする、みんなと同じように親しみのあるあだ名で呼び合うとか、たったそれだけのこと。
物語を読み進めていくと、他人の目から弟のオーガストがどのように映っているのかを知ってしまった、姉のヴィアの苦悩。
親友のジャックに陰口を言われていると知り、避けるようになったオーガストと、突然オーガストに避けられるようになってしまったジャック。
物語ではあと4人の視点も加わりオーガストを巡る1年が描かれています。
時間は進み、身体も成長し、新しい人との出会いがあり。大きな変化は常に誰にでも訪れ、時にしてそれに不安も抱える人もいます。
物語ではオーガストの悩みだけではなく、さまざまな視点から描かれたオーガストに関わる人たちの葛藤も等身大に書かれていて、一気に引き込まれていくでしょう。
『この世界はオーガスト・プルマンにやさしくない』
姉のヴィアがそう言うと、ヴィアのボーイフレンドのジャスティンはその言葉が間違いであると考えます。
『この世界は目に見えない方法で、一番はかなげな生き物を守っている』
この言葉の真意に気が付いたとき、世界の優しさを感じることが出来ると思います。
小学6年生のリナはかばんと柄にピエロの顔がついている赤い水玉模様の傘をもって、夏休みを過ごすためにひとりで霧の谷へやってきました。
途中、道を迷っていると水玉の傘が突然風に飛ばされ、必死に後を追います。気付けばそこは小さな町。深い森の中に6軒の赤やクリーム色の家。その見た目は外国のようです。
リナは下宿屋のピコット屋敷に滞在することになったのですが、主人のピコットばあさんはあまり歓迎モードではありません。
『働かざる者、食うべからず』がモットーのピコットばあさん。働いたことなんてないリナは途方にくれるのでした。
町の『めちゃくちゃ通り』にはちょっと変わった人たちばかりが住んでいました。
黒パンたくあんマヨネーズサンドが好きな本屋のナータ、目は優しいのに態度はぶっきらぼうな水夫のトーマス、そしてお面を絶対に外さない男の子のサンデー。
リナは自分でも気づかないうちに彼らのいいところを探し見つけることが出来る名人でした。
そんな中、リナは自分の生活をみなおします。
そうすることで、これまで目にしても気づかなかった『身の回りにある素敵な物』に気付くのです。
リナのふしぎな町へ飛び込むことへのチャレンジを通して、読む人へ『新たなことへのチャレンジ』を促しているような作品です。
■新しい事へのチャレンジ。
この作品は30年以上に渡り小学生らに愛されてきたファンタジー文学です。
水玉模様の傘に導かれて、ひとり霧の谷へやってきたリナの夏休みの冒険ファンタジーです。
初めての一人きりでの旅行。未知の世界へ飛び込んでいくこの物語は、小学6年生を終え、中学1年生という新しい環境にチャレンジしていく子供たちの背中をそっと押してくれるような物語になっています。
物語のリナのように、水玉の傘を手に新しい世界へ一歩、踏み出してみましょう。
いかがでしょうか。
今回紹介した3冊は、とくに共通点はありません。
しかしそれぞれに設けられたテーマや伝えようとしていることはとても大切なことで、小学6年生だからこそ読んでほしい作品になっています。
そうした内容からも感想文が書きやすく、また、読んでいてたくさんの気づきと出会えると思います。
今年の夏休みの読書感想文の参考にしてみてください。
☆夏休みの読書感想文におすすめな本3選を学年別に紹介しています☆
夏休みの宿題・小学1年生の読書感想文におすすめの本3選まとめ
夏休みの宿題・小学2年生の読書感想文におすすめの本3選まとめ
夏休みの宿題・小学3年生の読書感想文におすすめの本3選まとめ