連日夏日の気温を観測している今年の初夏。照り付ける日光が既に肌にチリチリとした刺激を与えています。
こんな日が続くと紫外線が気になりはじめ、そろそろ本格的に対策をしないといけないなと思います。
ただ日焼けするだけならと、あまり意識しないで紫外線を浴びることに抵抗がない方もいるかもしれませんが、紫外線による影響は日焼けやシミだけではないんです。
近年、年代を問わず「紫外線アレルギー」という皮膚炎を発症する人が増加しています。
原因が紫外線だとは知らずに放置していると悪化してしまい治療が困難になるケースもあります。
紫外線の強い季節に突然、皮膚に違和感を感じたら紫外線アレルギーを疑ってみるようにしましょう。
このサイトでは紫外線アレルギーが起こる原因や、皮膚に現れる症状とその対処方法をお伝えします。
紫外線アレルギーとは日光過敏症、日光皮膚炎等とも呼ばれています。
一般的に普通の人には問題がないとされる程度の紫外線量ですが、それを浴びたことで湿疹などのアレルギー反応が出てしまう事があります。
身体は紫外線を浴びるとアレルギー反応を起こすアレルゲンを作ります。このアレルゲンに対して抗体を作り体を守ろうとする反応がアレルギーです。
紫外線を浴び続けて抗体が限界になると皮膚炎など目に見える症状が出てきます。
では、その紫外線を浴びることで現れるアレルギー反応ですが、その原因はただ紫外線を浴びたことだけではありません。
アレルギーを起こす原因は多数あります。紫外線を避けることも大切ですが原因が何なのかを見極めることもその後の対策に大きく関わってきます。
■紫外線アレルギーの原因
・遺伝性によるもの
特に子供のうちにアレルギー反応が起こった場合は、遺伝性によるものが多いと考えられています。
色素性乾皮症やポルフィリン症など、その内容もいくつか存在します。
・薬物によるもの
大人で紫外線アレルギーを発症した場合は普段使用している薬や、日焼け止めクリームなどを見直す必要があります。
肌に直接触れているものが原因の事も多く、化粧品や保湿剤なども気にかけてみましょう。
また内服薬でも光線過敏型薬疹を発症するものがあります。服薬しているお薬があればかかりつけ医や薬局に確認してみましょう。
・病気が原因の場合も
代謝の異常や膠原病などがアレルギーを引き起こす可能性があると言われています。
全身性エリテマトーデスやシェーグレン症候群の症状に日光過敏がある事は有名です。
病気が潜んでいることもありますので軽視せずに病院を受診することは大切です。
・栄養不足によるもの
亜鉛やビタミン等のミネラルは皮膚に対する抵抗力をつけるのに欠かせません。
過度なダイエットや偏食で十分な栄養がとれていないと。紫外線の影響を受けやすいアレルギー体質になる事も。
逆に光毒性のある食べ物もあります。すべての人に影響が出るとは言えませんが、ソラレンという成分を含む食べ物には注意が必要です。
異常が出た時はその時に食べたもの気にしてみましょう。
このように紫外線アレルギーの原因は多岐にわたり、またもともとアレルギー体質の人は症状が出やすい傾向だと言われています。
紫外線を浴びた後に身体に発疹などの異常が出た時はこのような点を意識して、原因を突き止めるようにしましょう。
症状の多くは皮膚や目のかゆみといったものになります。
皮膚であれば、紫外線にあったヶ所が赤くなったり、湿疹が出たりします。
症状の強さは個々に寄りますが、酷い場合は水膨れのようになることもあります。
また、症状は紫外線に当たった直後だけで数時間すれば落ち着く人もいれば、長期にわたって症状がでたり、紫外線に当たっていないヶ所に出る人もいます。
■肌に出る症状
・赤く腫れる
・蕁麻疹のような湿疹ができる
・痒くなる
・水ぶくれができる
■目の症状
・痒くなる
・涙が出やすくなる
・充血する
・異物感を感じる
このような症状がが代表的です。
また、それ以外にも発熱したり頭痛や吐き気を伴うことがあります。
紫外線を浴びることが原因とされますが、とくに春から夏の時期にこのような症状が出た時は注意しましょう。
その他のアレルギーと同じで、一度発症すると完治は難しいとされているそうです。
■光線過敏試験で診断できる
日光を浴びた後に日焼けとは違う症状が出た時は、医療機関にかかるようにしましょう。
検査はお腹や背中に光をあてて、皮膚の状態をみるものになります。
またそのほかのアレルギーとなる原因を特定するために血液検査やパッチテストを行うこともあります。
大体5,000円くらいの費用が掛かるとされていますが、医療機関や検査内容で違ってきます。
検査はアレルギー科や皮膚科を受診し相談してみましょう。
病院にかかる場合は、検査の結果次第で治療内容が変わってきます。
アレルギーの原因ごとに適切な薬が用いられるからです。
■普段服薬している薬や、化粧品などの肌につけるものが原因の場合
内服薬が原因の場合は、別の薬を処方してもらうようにしましょう。
化粧品や日焼け止めクリーム、保湿剤など肌につけるものが原因の場合は使用を止め、触れることを避けます。
また金属が原因の場合もありますのでそちらも使用を止めましょう。
■症状の緩和に抗アレルギー剤を使用
アレルギー反応が酷いときは抗アレルギー剤やステロイド剤を使用して症状を抑えます。
使用する薬は症状の重症度によって変わってきます。
■病気が原因の場合
膠原病など、その他の病気が原因になっている場合は、病気の治療を行います。
それによってアレルギー反応も改善していくようになるでしょう。
■紫外線をさける
何が原因でも、アレルギー反応を起こすものが紫外線であるということは変わりません。
その為、紫外線除けをしっかりと行い遮光するということが大切です。
肌が出ないように長袖の服を着る、帽子を着用する、サングラスをかける。
また日傘なども使用するようにする。そして、アレルギーの原因にならない日焼け止めクリームを使用します。
かゆみが我慢できずに市販薬をとりあえず使用することもできますが、原因を特定していないと悪化を招くこともあります。
応急処置として使用する程度に留め、医療機関で検査を行い原因にあった適切な薬を処方してもらうようにしましょう。
一度発症すると完治が難しいとされる紫外線アレルギーですが、原因を特定し正しい対処法を身に着けておくと事前に対策することが出来ます。
また過度な紫外線を浴びることで突然発症することもありますので、正しい知識をつけて予防することも大切です。
紫外線は時間帯によってその量が異なってきます。紫外線が強い時間の外の移動は避けるように心がけることも重要です。
出来るだけ朝の早い時間や、夕方以降に外出や移動をするようにして、日中は屋内にいるようにするだけでも症状が軽くなりますよ。
そして物理的に紫外線を避けるためにも、春から夏はしっかりと身に着けるものを意識して選びましょう。
近年、紫外線量は増え、強さを増しています。すでに発症している人はもちろん、自分はアレルギー体質ではないからと過信することなくしっかりと対策をし、予防するようにしましょう。