近年、自衛隊や警察等の機関がとても力を入れている音楽活動。週末のショッピングモールでもよく見かけることが多くなりました。
今回CDデビューをするということで大変話題になっているのが、陸上自衛隊の3等陸曹である鶫真衣(つぐみまい)さん30歳の女性自衛隊員です。
これまでCDデビューに至った自衛隊の音楽隊で有名なのが、海上自衛隊の三宅由佳莉3等海曹ではないでしょうか。
2013年に発売されたアルバムは当時大ヒットしました。
今回は陸上自衛隊が誇る歌姫の待望のCDデビューが決まりました。
そんな歌姫、鶫真衣さんとはどんな人物なのでしょうか。詳しい情報に迫っていきます。
鶫真衣さんは石川県金沢市が出身で、中学生の頃にNHK番組でおなじみの『おかあさんといっしょ』のうたのおねえさんに憧れて、声楽をはじめました。
その後、国立音楽大学演奏学科声楽専攻、洗足学園音楽大学に入学し、ソプラノ歌手で沖縄県立芸術大学では声楽の教員としても活躍している中村智子や、オペラ歌手として著名であり、また名古屋音楽大の声楽の教員であるウーヴェ・ハイルマンらに師事し、声楽を学んできました。
また大学時代に海上自衛隊東京音楽隊の定期演奏会で三宅由佳莉の歌声を聞いたことをきっかけに、自衛隊のボーカリストに応募した。
そして2014年3月に中央音楽隊所属に陸上自衛隊初の声楽要員として採用されました。
入隊後は関西や中四国を中心に、国家行事や慰問コンサートでその歌声を披露。その歌声は瞬く間に話題になりSNS上では大変な人気を集めています。
2016年には大阪の演奏会でアイドルグループAKB48の『365日の紙飛行機』を歌い、ネットに公開された動画は1,280,000回もの再生回数を記録しました。
そんな鶫真衣さんの音楽活動以外の生活はというと、自衛官としての仕事や訓練が主とした生活だそう。訓練では他の自衛隊員と同じく重い荷物を抱えて歩く歩行訓練から射撃訓練も参加されています。
鶫さんは『音楽以外の活動をすることによって、強くならなければいけないと感じることが出来る。それによって何かあったときに自分が手を貸せる存在になれる。肉体的にも精神的にも音楽活動にも役立つ』と強い意気込みを語りました。
■入隊後の訓練の過酷さに挫折しそうになったことも
『人のために歌う仕事がしたい』という志をもって自衛隊の音楽隊に入隊した鶫真衣さん。
しかし、彼女を待っていたのは過酷な訓練の日々でした。
鶫さんはもともと運動は不得意で腕立て伏せは1回も出来なかったほど運動が苦手でした。
ずっしりと重い銃を使った射撃訓練や、やったことのないほふく前進、それに3キロのランニング。そして苦手な腕立て伏せ30回。
これを毎日こなす訓練が最初の1ヶ月、毎朝『辞めたい』と思わせるほどの重圧になっていました。
そして、入隊から2ヶ月半が過ぎた頃、静岡県の東富士演習場で行われた野外訓練に参加し、25キロ行軍では20kgもある装備品を背負って歩きました。
その帰りのトラックで、訓練に参加した隊員に『歌ってほしい』と求められ、ディズニー映画の挿入歌などを3曲歌った。それを聞いた隊員たちは涙を流して感動してくれたそうです。
自分も疲れ果てていたけれど、歌を求められたこと、そして自分の歌で一瞬でも幸せな気持ちになってもらえたことが、自分の歌が人の役に立てたことが嬉しかったと語った鶫さん。
そんな中、中部方面音楽隊に配属が決まり、伊丹駐屯地の隊員約1千人の前でイギリスのソプラノ歌手サラブライトマンの代表曲でもある『タイム・トゥ・セイ・グッバイ』を披露しました。
歌い終えると大きな拍手が沸き起こり、音楽隊の任務の一つである自衛隊員の士気高揚を身をもって感じた瞬間を体験しました。
このような経験から、辛い訓練を乗り越え大きな自信を持てるようになりました。
鶫さんは『自衛隊の任務は国を守り、人の命を救うこと。その中で音楽隊員は人の心の傷を癒し、勇気づけることが出来る。それが音楽隊の魅力です』と語りました。
『歌うことで人の心を救いたい』という志をもとに自衛隊活動を続ける鶫真衣さんのCDアルバムは、『いのちの大切さ』に沿って選んだカバーアルバムです。
発売日は2018年6月27日(水)。アルバムタイトルは『いのちの音』です。
■収録曲
1.NIPPON(椎名林檎 2014年)
2.おひさま~大切なあなたへ(平原綾香 2011年)
3.I Believe (絢香 2006年)
4.いのちの名前(木村 弓 2001年)
5.おんがく(合唱曲 2011年)
6.ひまわりの約束(秦 基博 2014年)
7.君の知らない物語(supercell 2009年)
8.世界の約束(倍賞 千恵子 2004年)
9.いのちの理由(さだまさし 2011年)
10.いのちの歌(茉奈佳奈 2009年)
11.さよならの夏~コクリコ坂から~(手嶌 葵 20011年)
12.いのちの音(オリジナル 2018年)
鶫 真衣(ソプラノ)
陸上自衛隊中部方面音楽隊
柴田 昌宜(指揮)
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自衛隊と言えば、危険を伴う過酷な世界というイメージがとても強いですが、実際もちろんそういった環境下になる事もあり、またそういったことを想定して日々多くの訓練に取り組んでいます。
その中で音楽隊は、音楽で自衛隊員を鼓舞し支え、そして震災で傷ついた人を音楽で癒し、また日ごろはファミリーコンサートなどでもその美しい演奏や歌声を披露してくれます。
筆者も近くのショッピングモールで演奏している自衛隊の音楽隊の演奏を何度も聞いたことがありますが、聴く人が分かりやすい曲を選曲するなど、心遣いもまた素晴らしいなと思いました。
先日は子供が多いショッピングモールだったので名探偵コナンのテーマ曲でしたよ!今回発売されるCDもしっかり聴いてみたいと思います。