近年国内では様々なコーヒーショップが誕生し、各地で次々に出店しています。
その中で国内最大のコーヒーチェーンであるスターバックスコーヒーは日本に初上陸したのは22年前。
今では全国に1300以上の店舗数を誇り、他のコーヒーショップを圧倒しています。
昨年の売り上げも1700億円といまだ衰えることのないように思えるその経営状況。
しかし、そんなスターバックスにはある不安があるという。
近年私たち消費者にとって身近になったコーヒーをめぐる戦いがさらなる向上を目指して今日も奔走する。
現在多数あるコーヒーショップの中で王者ともいえるスターバックスコーヒーですが、コンビニコーヒーがそれを猛追しています。
そもそもコーヒーショップだけでもかなりの数がある中、コンビニエンスストアの参入も加わり日本でのコーヒーの消費量は常に過去最高を更新しています。
およそ2兆9000億円にも膨らんだこの巨大なコーヒー市場を巡り、多くの企業が勢力を強めていった。
そんな中、スターバックスコーヒーはある不安を抱えていた。
■人気商品のフラペチーノ
スターバックスコーヒージャパンの本社がある都内の小さな1室。
ここは限られた社員しか入室することが出来ない通称【テスト キッチン】と呼ばれる部屋だ。
ここでは発売のたびにヒットを飛ばす人気商品の限定版フラペチーノの開発が行われていた。
この限定フラペチーノは見た目の華やかさから近年、若者の間で【インスタ映え】を狙って購入者が増えている。
特に若い女性の間では大変な人気を誇り、発売日になると夕方までに完売する店舗も少なくない。
だが、逆にコーヒーを目的に来店する客はあまり興味を示さないことから、購買年齢層が20代に偏っているのが現状だ。
その状況を危険視したスターバックスコーヒーはこの夏から【大人向けのフラペチーノ】を発売することに決めた。
30代以上の年齢層にもアプローチできるフラペチーノを。この重大なプロジェクトを任されたのが東治輝さんだ。
彼は2年前に国内の大手菓子メーカーから転職してきた元パティシエという経歴の持ち主だった。
東さんは商品開発の情報集めに赴いた先は、イタリアのミラノだ。
そもそもスターバックスコーヒーはミラノのカフェ文化を目指してアメリカで誕生した会社である。
その為、東さんはこの大切なプロジェクトのヒントを原点に立ち戻り考察することにしたのだ。
フラペチーノから離れていった世代を再び振り向かせることの出来るフラペチーノは誕生するのだろうか。
現在都心へのアクセスが良く注目されている千葉県流山市。
駅前にあるショッピングセンター【おおたかの森S・C】にはスターバックスコーヒー以外にも多数の人気カフェが出店している。
その中にある一つのショップがいつも行列を作るほどの人気を集めている。
それはスクロップコーヒー ロースターズというあまり聞かないお店だった。
この店舗の人気の秘訣はコーヒー豆に対するこだわりだ。
なんとこの店で扱うすべてのコーヒー豆は【スペシャリティコーヒー】という国際的な品評会で100点満点中80点以上を獲得した高品質の豆だった。
このスクロップコーヒー ロースターズはこれまではコーヒーの卸売りや企業の社内販売に向けた事業を中心に営業してきたが、近年のコーヒーブームで消費者の【本物志向】に目を付け、それを機にショップへの事業拡大を進めたのだ。
そしてこのスクロップコーヒー ロースターズが狙うのはなんと【家飲み】だ。
コーヒー業界の競争が激しくなると同時に、家で飲むコーヒーに対するこだわりを持つ人が増えてきたことに着目したのだ。
高品質な【スペシャリティコーヒー】を自宅向けに販売することで世間への知名度や業績の向上につなげていくという戦略だ。
商品開発の担当者はスクロップコーヒー ロースターズがすでに競争が激化しているコーヒー論争で大手に立ち向かうには、これまで他がやってこなかったことに着目し、看板商品を作り上げることが必要だと考えた。
そこで【あるコーヒー豆】を使用することに決めたのだ。
この豆は一部のコーヒー通の間でしか流通しなかった世界的にも稀少な幻のコーヒー豆【パナマ産のゲイシャ】という豆だ。
独特の風味と味が売りのそして価格も最高級クラスのゲイシャを一般家庭向けの商品をつくり、看板商品とする。
しかしそこにあるのはコストの壁という大きな問題だった。スクロップコーヒー ロースターズの挑戦の行方はどうなるのだろうか。
いかがでしたでしょうか。
業界の王者とも言われるスターバックスコーヒーと、知名度がまだ低いスクロップコーヒー ロースターズ。
それぞれの商戦はまったく違うものではあるが、昨今のコーヒーブームに乗ることが出来るのだろうか。
王者スターバックスコーヒーが抱えるフラペチーノ世代が離れれていくことへの危機感は納得するものがある。
フラペチーノはやはり基本甘く、見た目の華やかさが売りになっていることから、30代以降になると実際に購入頻度は減るのだろう。
そして対するスクロップコーヒー ロースターズはこだわり抜いた最高品質の高級コーヒー豆を武器にどのように展開していくのか。
それぞれの店の行方が気になる近年のコーヒーブームだが、それ以外の店でも同じように悩みを抱えているのだろう。