昨年7月に放送が開始された進撃の巨人season3 Part.1ではウォール・マリア奪還のためついに作戦が実行されるところまで放送されました。
そして2019年4月29日からは待望の進撃の巨人season3 Part.2の放送が開始されました。
前回はグリシャ・イェーガーの手記と記憶の元、過去のお話がメインでした。
エレン・クルーガーが宿していた巨人の名は「進撃の巨人」で、その力はグリシャ・イェーガーからエレンに継承されています。
そして新たな敵の存在を知った調査兵団ならびに王政はどのような結論を出すのでしょうか。
このサイトでは進撃の巨人season3 Part.2 59話「壁の向こう側」についてまとめました。
「その巨人は、いついかなる時代においても、自由を求めて進み続けた。自由のために戦った」
「名は、進撃の巨人」
エレンは迷っていた。
王家の血を引くものを巨人化することでエレンは始祖の巨人の力を発動することができるかもしれない。
しかしそれを知れば兵団はヒストリアを巨人にするかもしれない。
その懸念がある以上、エレンはその事実を口にすることが出来なかった。
アルミンはそんなエレンの迷いを何か感じ取るようにみていた。
会議では世間にむけてこの真実をどのように扱うべきかを議論していた。
このような事実を突きつければ人々の混乱は避けられない。
だが、このことを隠し騙すのならば、それはこれまでのレイス家がやってきた事と何ら変わりはない。
そんな中ヒストリアは「公表する」という結論を出したのだった。
「100年前、レイス王が民から奪った記憶を100年後の民にお返しするだけです」
「我々は皆、運命を共にする壁の民。これからは一致団結して力をあわせなくてはなりません」
ヒストリアの命により、この事は世間に知らしめられた。
人類を脅かす人食い巨人の正体は人間であり、自分たちと同じユミルの民だった。
王は100年前に壁を築き、巨人の力をもって民衆の記憶を奪い去り、壁の外の人類は滅亡したと思わせた。
しかし人類は滅んでなどおらず、それどころか壁の中のユミルの民を「悪魔の民族」と呼んでいる。
そして、彼らは近い将来この土地にある資源を得るために軍隊を持って侵攻してくるであろう。
5年前から始まった超大型巨人の襲撃もその一件なのだ。
このようなことを公表された後の民衆の反応は様々で、そのまま受け取る者もいれば、信じることが出来ずに笑い飛ばす者もおり、また新政権の陰謀論ではないかと疑う者までいるのだった。
ハンジとリヴァイはベルク新聞社のロイとピュレと会っていた。
ロイはハンジらを誇りに思うと言う。
しかしリヴァイは次は調査兵団を担いで記事を書けばいいと皮肉を込めて返す。
ロイは今後自分たちがどうなるのかと聞いた。
かつて自分たちが巨人を恐れ、憎んできたのと同じように、世界中の人々が自分たちを人ではなく有害な化物とみなしている。
そしてその結果、また再び地獄が繰り返されるのだとしたら、それは自分たちが絶滅するまで続くのかと。
任務の成功を収めた調査兵団には女王陛下から勲章が与えられる。
その授与式の直前、ヒッチが声をかけてきた。
ジャンは言葉につまりながらもマルロの最後を、彼が勇敢であったことを伝えた。
そしてマルロの最後まで共に戦場を駆け抜けたフロックにその時のことを話してやるようにと言った。
フロックは、新兵らが皆怖気づく時も仲間を鼓舞し兵たちをまとめてきたマルロのことを話した。
ヒッチはマルロならそうするだろうと、でもだからこそ自分の言うことなんて聞かないのだろうとも言った。
「でも最後は、あそこに行ったことを後悔しただろう」
ヒッチはその言葉を聞き、悲しみを隠せずその場を後にした。
ジャンは何故そんなことを言ったのかとフロックを問い詰めるが、フロックは誰かが本当のことを言うべきだと答える。
「君がエルヴィン団長を生き返らせようと必死だったことは知っている」
アルミンはフロックの視線を受け止め、彼の心の中の無念を代弁した。
フロックはアルミンではなく団長が相応しいと思ったと答えた。
そしてそう思ったのは自分だけではなく、報告書を読んだ皆がそう思ったのだと。
何も言えなくなったアルミンに変わりエレンが食って掛かる。
フロックは自分は幼馴染では無いからアルミンの事は知らないが、何故団長ではなくアルミンが選ばれたのかは分かると答えた。
それはエレンとミカサ、そしてリヴァイが私情に流されたことが原因だったと。
エレンはフロックに黙るように言うが、フロックは自分がいつだって正しいというエレンの態度に苛立った感情を見せる。
ミカサはフロックに詰め寄るエレンの肩を抑え、下がるようにと言った。
フロックはそんなミカサに、最終的には諦めた分エレンより聞き分けが良かったと言った。
ジャンはエレンとフロックの間に入り言い合いを止めた。
コニーもそこに加わり、何故話を蒸し返すようなことを言うのかとフロックに言うが、フロックはジャンもコニーもあの場でただみていただけだろうと突き放す。
「フロックが正しい」
アルミンは下を向きながらエルヴィン団長が生き延びるべきだったと言った。
アルミンの言葉を聞き、それ以上何も言えなくなるフロック。
「なんでそんなことがわかるんだよ」
エレンはアルミンの肩を掴んで問い詰める。
「俺にはわからないな。正しい選択なんて」
「未来は誰にもわからないはずだ」
「だいたいお前は見たのかよ?壁の外を」
「壁の外には何があるんだ?」
エレンのその問にアルミンの目の輝きが増した。
「海」
エレンは海をまだ見ていないだろう?とアルミンに問いかける。
自分たちはまだ何も知らないのだと。
「炎の水も氷の大地も砂の雪原も」
「可能性はいくらでも広がっている」
「きっと、壁の外には自由が・・・」
そこまで言いかけてエレンはグリシャ・イェーガーの記憶の中にある妹死を思い出した。
言葉が続かないエレンだったが、そこにリヴァイが現れ式の開始を伝えた。
「おいガキども時間だ並べ」
「地下室にあったものは何だ?希望だったのか?それとも絶望か?」
「敵は果てしなく強大だった」
「このまま何も変わらなければまたあの惨状が繰り返される」
「何かを変えることが出来るなら、自分の命くらいいくらでも捧げてやるのに」
「俺にはヒストリアを犠牲にする覚悟がない」
「こんな事・・・誰にも」
エレンがヒストリアの手の甲に口づけた瞬間、再び記憶が走った。
それはレイス家のあの洞窟でまさに始祖の巨人のちからを奪わんと当時のレイス王であるフリーダをグリシャ・イェーガーが襲撃した時のものだった。
あの時、グリシャ・イェーガーはフリーダに懇願した。始祖の巨人のちからをもって、壁の中の民を守るようにと。
エレンはヒストリアの手を離せずにいた。
またそんなエレンを皆が心配そうに見つめていた。
その冬、トロスト区内に入り込んだ巨人が槌に打たれることがなくなった。
春にはウォール・マリア内の巨人は掃討されたと発表され、街道の舗装事業が開始された。
巨人襲撃から約1年半、避難していた順民はかつての住処に向けて帰ることが許された。
そして最初の超大型巨人が攻めてきた日からまる6年が経ち、調査兵団はウォール・マリア外の調査を開始した。
ハンジの読みどおり、巨人はウォール・マリアの中に入り込んでいたものがほとんどだった。
実質約1年でほとんどの巨人を淘汰していたのだ。
調査兵団は目的の場所を目指し馬を走らせた。
途中前方から信煙弾が放たれた。
それは巨人がいることの合図だ。
前方に現れた巨人は四つん這いで壁を目指している様子だったが、既に動ける様子ではない。
本当に少しずつ、這って進んで来た痕跡が残されていた。
エレンはそっと巨人に触れ、この巨人が楽園送りにされた同朋だと言った。
そして巨人にとどめをさすこと無く、先を急いだ。
さらに馬を走らせるといつしか草原は砂漠となり、そして崖の向こうにはあの壁がそびえ立っていた。
エレンはグリシャ・イェーガーの記憶から、ここがエルディア人が楽園送りにされた場所だと確信した。
そして、その向こうには・・・
視界一面に広がるのはただただどこまでも続く青い海だった。
グリシャ・イェーガーの記憶で知っていいたエレン以外は驚きのあまり口を開け、その光景に言葉もなく佇んだ。
昔、本で見た海。期待に胸を踊らせ頬を高揚させながら本を読んだ。
その海に足を踏み入れ、波を感じるアルミン。
恐る恐る海の水を舐めるジャンと水を掛け合うコニーとサシャ。
海の中にいる生物に触れようとするとリヴァイはやめるように声をかける。
打ち寄せる波に足元を取られよろけるミカサ。
そんなミカサと視線を交わし思わず笑みが溢れるアルミン。
「ほら、言っただろうエレン」
「商人が一生かけても取り尽くせない程の巨大な塩の湖があるって」
「僕が言ったこと、間違ってなかっただろ?」
アルミンは涙声になりながらそう言った。
「ああ、すっげえ広いな」
エレンは振り返らずに答える。
「ねぇ!エレン、これ見てよ!壁の向こうには・・」
アルミンは手の中の貝をエレンに見せようとしたがその言葉をエレンは遮った。
「海があって、海の向こうには自由がある」
「ずっとそう信じてた」
「でも違った」
「海の向こうにいるのは敵だ」
「何もかも、オヤジの記憶で見たものと同じなんだ」
そう言うエレンの顔は何処か寂しそうで切なげだった。
「なぁ、向こうにいる敵全部殺せば、俺たち自由になれるのか?」
いかがでしたか。
進撃の巨人season3のストーリーはここまでです。
ウォール・マリア奪還のため多くの犠牲を出した調査兵団は、エレンの生家の地下室で発見したグリシャ・イェーガーの残した手記により、この国の壁の真実を知ることになります。
壁の向こうには広大な海が広がり、このずっと夢見ていた果てしない塩水の先には視界の端から端まで続く地平線が。
しかしエレンにとってそれはグリシャ・イェーガーの記憶から既に得ていた情報そのもので、それはすなわち人類の敵はこの海の先にいることを示していただけでした。
次回、進撃の巨人 The Final Season はまた今季と同じくNHK総合にて2020年秋の放送を予定されています。
タイトルどおり、次Seasonが進撃の巨人の最終ストーリーになります。
1話目から絶大な人気を誇るアニメ進撃の巨人の終わりはどのようになっていくのでしょうか。
2020年の放送を楽しみに待ちましょう!