昨年7月に放送が開始された進撃の巨人season3 Part.1ではウォール・マリア奪還のためついに作戦が実行されるところまで放送されました。
そして2019年4月29日からは待望の進撃の巨人season3 Part.2の放送が開始されました。
前回は多くの犠牲を出しながらもようやく目的のエレンの生家にある地下室にたどり着くところまで放送されました。
今回はエレンの父、グリシャ・イェーガーが残した本に書かれた壁の外の世界の真実についてのお話です。
グリシャ・イェーガーは何処から来て、そして何のために壁の中の世界に足を踏み入れたのか。
壁の中で家庭を持ち、息子であるエレンを巨人化してまで何をしたかったのか。
グリシャ・イェーガーの想いと、過去の出来事についてまとめていきます。
このサイトでは進撃の巨人season3 Part.2 57話「あの日」についてまとめました。
「あの幼き日、私はこの世の真実と向かい合った」
壁の中ではグリシャ・イェーガーらエルディア人は忌み嫌われる存在だった。
道行く人には悪態をつかれ、ただ歩いているだけなのにぶつかられてしまう。
フェイはとても不安そうに兄にしがみついている。
グリシャはそんなフェイを励まし、土手の向こうに行けば追いかけて来た飛行船を見れると促した。
土手まで行くと空から降り停止している飛行船が視界に飛び込んできた。
その雄大さに心から感動するフェイと、そんな妹を優しげに見つめるグリシャ。
すると芝生に腰をおろし飛行船を見ていたマーレ政府の二人の男に声をかけられる。
「お前たちも飛行船を見に来たのか?」
「レベリオ収容区の者だな。外出許可書を見せろ」
グリシャはもちろんそんな物は持っていなかった。
無許可で市街に入る事は禁じられているのだ。
「労働か?制裁か?」
男はグリシャの視線の高さに合わせるようにしゃがみ答えを求める。
グリシャは制裁を希望した。
自分の勝手な行動で親に迷惑をかけたくなくてグリシャは制裁を選んだのだ。
そして妹は自分が勝手に連れ出したのだからと、制裁はすべて自分にしてほしいと望んだ。
グリシャは男の一人に激しい暴行を受け、またフェイはもう一人の男に先に帰ろうと促され共にその場を後にした。
男は腕章を外さなかったことだけは正しい行動だと認めた。
グリシャとフェイがつけていた腕章はエルディア人は必ずつけていないといけない。
もしも腕章をつけていないとエルディア人は「楽園」という場所に連れて行かれてしまう。
グリシャはなんとか立ち上がり、もう帰ると言った。
しかし男はせっかくだから飛行船を見ていけと言い、グリシャを引き止めた。
だが、その翌日妹のフェイは遺体となって川で発見されたのだ。
グリシャの家には昨日の男二人が訪れ、フェイを送ったのは途中までだったと話した。
男はエルディア人である立場をしっかり教育していない自分たちが悪いと責めた。
しかしその場に立ち会ったグリシャはこの男が嘘をついていることがわかった。
フェイを最後まで送り届けなかった男は仕事が忙しかったからだと言ったが、本当は河原で寝ていたのだから。
母は終始悲しみに暮れ涙を流し、父は男らに謝罪した。
グリシャは男らにへりくだる姿を見せる父を憎み、そして自分の愚かな行動を呪ったのだった。
1820年前、祖先であるユミル・フリッツは大地の悪魔と契約をした。そして巨人の力を手に入れたのだ。
そしてユミル・フリッツは死後9つの巨人に魂を分けて、エルディア帝国を築いた。
大国マーレを滅ぼした後、この大陸の支配者となった。
そして訪れたのは暗黒の時代だとグリシャの父は言った。
ユミルの民は他の民族を下等人種と決めつけて弾圧した。
土地や財産を奪い、そして子を産ませてユミルの民を増やしていったのだ。
しかし後退したように見えたマーレは力をつけ、9つ中7つの巨人の力を手に入れて80年前の巨人対戦に勝利したのだった。
そして当時のエルディアの王はパラディ島に3重の壁を築き、国民と共にそこに逃げ込んだ。
その時取り残されたエルディア人はマーレの人間によって今の生活を与えられたのだ。
グリシャの父は息子にマーレの行動と寛大な慈悲を息子に言い聞かせた。
フェイを殺されたばかりの父親の言葉の饒舌さにグリシャは何も言えずにいた。
主人であるマーレの人間を崇め、自分の祖先を卑下する父の姿にまるで飼い主と犬のようだとグリシャは思った。
「あの男は嘘をついていた」
「何が都合が悪いことがあるから嘘をついた」
グリシャの発言に驚き振り返る母と、誰に聞かれているかわからないため口にするなと言う父。
「きっとあの男がフェイを・・・」
そう言いかけた時父は大声でグリシャに黙るように言った。
そして自分たちの祖先は大罪人であることを再び話そうとする父にグリシャは食いかかった。
「俺もフェイもそんな事してない!!!」
「街を歩いただけだ!!」
父はグリシャに家族で楽園に行きたいのかと聞いた。
自分たちに直接の罪が無くても、エルディア人がしたことは変わらず、そしてこの収容区にいる以上マーレの人間を怒らせたら楽園行きになるのだ。
父は家族を妹のようにしないでくれと言った。
グリシャはどっちが間違ったことを言っているのだろうかと思った。
自分なのか、それともこの世界なのか。
グリシャはただ「わかった」とだけ答えた。
そしてグリシャは大人になった。
何も考えず父の診療所を継ごうとしていたグリシャは診察に訪れた男と対話していた。
その男の右肩にある傷について質問し、男はこれは同朋の証だと答えた。
「あなたの妹はマーレ当局の男に殺された」
「我々にはマーレ政府の内通者がいます」
「詳しい話しをお聞かせしましょう」
過去のことを知る男の発言にグリシャは驚きを隠せなかった。
グリシャは妹の事件の真相を知ってしまった。
そして心に誓ったのだ。
「本当の悪魔はどちらか教えてやる」
フェイは数頭の犬に襲われたのだ。あのときのマーレの男が仕組んだことだった。
グリシャは自分の体にも同朋の証を刻み、祖先の行動は正しいものだったと思った。
エルディアの復活こそが世界を正す唯一の方法なのだと。
マーレ政府にいる内通者は「フクロウ」と呼ばれ、姿を見せること無くエルディア復権派を導いた。
そして古い文献などから、エルディアの祖先であるユミルの民は巨人の力を使い、道を作り橋をかけ国を豊かにしたことが明らかになった。
過去を知った復権派の一同は祖先の行いを讃え、そして自分たちがその子孫で有ることを誇りに思った。
するとアジトにしていた部屋に突然知らせが入る。
「どうしよう!フクロウが人を遣わせたぞ」
男がそう言うと、そこに現れたのは名を「ダイナ・フリッツ」と言う女性だった。
そして自分は王家の血を引くものだと言った。
復権派は彼女を信じ、また彼女だけが知る巨人の情報を得ることができた。
そしてグリシャは王が壁の中に持ち去った「始祖の巨人」の力を手に入れることができれば自分たちの勝利だと確信した。
しかしそのような力を所持しながら何故島に後退したのだろうと疑問に思うメンバーもいた。
ダイナはその理由を王が争いを望まなかったことが原因だと説明した。
グリシャは戦おうと言った。そして復権派の士気をあげた。
またその想いにダイナは涙した。
その翌年グリシャとダイナは結婚し子を設けた。
男の子の名前は「ジーク」
いずれ自分たちを勝利に導いてくれる子供だとグリシャは思った。
そして時は流れ、世の中は急に発展していく。
マーレ政府は7つの巨人の力を受け継ぐ器としてエルディア人を集めた。
それは巨人の力がずっと有効である保証が無くなり、またパラディ島の資源を無視できる状況では無くなった事から打って出た策だった。
しかし壁の王は自分たちに危害を加えるなら、幾千万の巨人がマーレを責め滅ぼすと言っている。
そのため巨人の力がある以上は正面から攻め込む事は難しく、マーレ政府が打ち出した作戦は復権派と同じくして「始祖の巨人」の力を手に入れる事だったのだ。
復権派はマーレに先を越されてしまうことを恐れた。
だがグリシャはマーレ政府の作戦を利用して息子であるジークをマーレの戦士にするべく教育をした。
しかし、ジークはこれまで一度も自分と向き合って来なかった両親よりも、自分と祖父祖母の安全を優先したのだった。
ジークはグリシャとダイナをマーレ政府に告発し突き出したのだった。
グリシャ・イェーガーは楽園に送られた。
拷問ではすべての指を落とされた。
そしてグリシャは気づいた。そこに立つ男はかつて自分に制裁を下した男クルーガーだったのだ。
クルーガーは既にグリシャのことに気がついていた。
その後壁の上には復権派のメンバーが次々と運ばれてきた。
皆ジークにより密告されたのだ。
ファルコ・グライスは壁の下に蹴落とされた。
そして他の男たちは皆巨人になる薬を注射されてから落とされる。
知能のない無垢の巨人となった男たちからグライスは必死に走って逃げる。
そして壁の上で叫ぶグリシャにはまだ尋問したいことがあるから、先に進めるようにとクルーガーは言った。
そこへ運ばれてきたはダイナだった。
グリシャはダイナを救うために全てをマーレ政府に話した。
しかしダイナは楽園送りになったのだ。
ダイナは自分がどんな姿になってもグリシャを探し出すと言い、巨人になった。
エレンは叫んで起きた。その声にアルミンとミカサも起きる。
取り乱すエレンにアルミンは兵規違反の懲罰を受けるために勾留されているのだと状況を説明した。
ミカサも同じくして懲罰を受けていた。
ミカサは怖い夢でも見たのかと心配する。
そしてアルミンは自分を「私」と言ったエレンに驚いていた。
エレンはとても長い夢を見ていたような気がするのだと言った。
そしてそれは夢では無くかつて巨人となった時に食った父グリシャ・イェーガーの「記憶」だと言い直した。
エレンは母カミラを食った巨人がダイナ・フリッツだと言うことをこの記憶から知ってしまった。
巨人化したダイナは一目散にグライスを追う。
それをバカにしたように言う政府の男にグリシャは8年前妹を犬に殺させたと食って掛かる。
それを聞き、男は次に運ばれてきた楽園送りになった男を部下から引受け、下がらせた。
兵士らは男の趣味の時間が始まったと言いながら去っていった。
そしてグリシャには巨人化はしないと言った。運ばれてきた楽園送りになった男を3~4メートル級に調整するから戦えを言うのだ。
グリシャは何故そんなことをするのかと聞いた。
男は当たり前のように「おもしろいから」だと答えた。
それに対しグリシャは心が痛むことはないのかと聞いた。
男はエルディア人でなければなと哀れんだ。
そしてグリシャを掴み壁の下に落とそうとしたが、逆にクルーガーに落とされた。
クルーガーは聞いた。これが面白いことに見えるかと。
壁の下では今まさに先程の巨人に政府の男が食われそうになっている。
グリシャは驚き振り返るとクルーガーは自分がフクロウであることを名乗った。
そして自らの指をナイフで切り、巨人の力の使い方を見せつけた。
クルーガーは巨人になった。そしてマーレの船を圧倒的な力で真っ二つに割った。
いかがでしたか。
グリシャ・イェーガーはかつてマーレ政府の役人に殺された妹の無念を晴らすためにエルディア復権派と共に行動した。
やがて結ばれた王家の血を引くダイナ・フリッツとの間に一人の男の子を授かる。それが獣の巨人ジーク・イエーガーだったのだ。
しかしグリシャは息子に裏切られ楽園送りになってしまう。愛する妻が目の前で巨人にされついに自分にもその手が伸びる瞬間、グリシャを助けたのはフクロウ、クルーガーだった。
そしてグリシャの過去が自らの記憶のように鮮明に思い出されるエレンは、母カミラを食った巨人が父の最初の妻であることを知り悲しんだ。
次回進撃の巨人season3 Part.2 第58話は「進撃の巨人」です。放送が楽しみですね!