2018年の24時間テレビでは『11歳全盲少年ドラマー 酒井響希』のタイトルで放送予定のコーナーがあります。
このニュースを見た時に、筆者は思わず胸が締め付けられる思いでした。
筆者の息子もまた同じ病気と闘い片目を失ったからです。
このサイトでは24時間テレビ『11歳全盲少年ドラマー 酒井響希』の事について書いていきます。
現在11歳の酒井響希くんが、発症した病気は『網膜芽細胞腫』という小児がんです。
彼は1歳10か月ごろにご家族が眼の異常に気付き、発症していることが分かりました。
発見時、その症状はだいぶ進行していたのでしょう。病院を受診したその日のうちにドクターから眼球の摘出を宣告されたのです。
酷だったのは、彼が発症していたのは両眼性だっということでしょう。
■網膜芽細胞腫とは
網膜芽細胞腫とは網膜に発生する悪性腫瘍です。発症年齢は乳幼児が特に多く、出生児の15000人~16000人に1人と極めて少ない割合で発症しています。
この網膜芽細胞腫には片眼性と両眼性があります。
網膜芽細胞腫はある特定の遺伝子の異常と関係していることが分かっており、たまたま網膜の細胞の遺伝子が傷ついて腫瘍が発生したときは必ず片眼性です。
しかし、身体のすべての細胞にこの遺伝子異常が起こっている場合は、その原因となる遺伝子が子供に引き継がれることがあり、その子供も発症する可能性があります。
両眼性の網膜芽細胞腫の患者すべてと片眼性の約15%はこれに該当します。
そしてこの遺伝子異常は、将来骨肉腫などの別の悪性腫瘍を引き起こす可能性があるため、治療が終わっても注意が必要なのです。
現在では血液検査である程度の遺伝子異常を発見すること出来るようになってきましたが、遺伝子検査の目的や限界に対しての理解をもって検査を受ける心構えが必要です。
また両眼性の網膜芽細胞腫は稀に脳腫瘍を併発する三側性網膜芽細胞腫があり、その治療法が定まっていないことから生存が困難であることが知られています。
そして通常の網膜芽細胞腫であっても、視神経から眼球外に転移した場合はその危険性が明らかに違ってきます。これは両眼性、片眼性ともに同じです。
この病気は目が斜視のような左右の眼球の向きがあっていない状態であったり、白色瞳孔と呼ばれ、光が腫瘍にあたって反射して猫の目のように見えたり、ビー玉のように透き通って見えたりすることで発見されることが多いです。
そのため、乳幼児期はとくにお子さんの目をしっかりと観察してあげることが早期発見につながります。
毎年8月に放送される恒例の『24時間テレビ 愛は地球を救う』。
今年は8月25日・26日に放送を予定されています。
関西ローカル枠内で放送される『11歳全盲少年ドラマー 酒井響希』のコーナーでは、2歳を目前に全盲になりながらも、プロのドラマーを目指す現在11歳の少年が、Def Techと出会い、夢の共演を果たすというストーリーになっています。
放送時間は8月26日(日)11:27~12:27です。
2歳前に両目を失い、本人はもちろん、ご家族も悲しみの淵にいたなか、彼らを救ったのが『音』だったのだそうです。
何気なく付けていたテレビから流れる音楽にあわせて、家中の壁や柱を傷だらけになるまで鉄製のマドラーで叩きつづけた酒井響希くん。
ご家族は本人が興味を持てるものには全力でサポートしたいと思い、電子ドラムを購入したのだという事です。
響希くんはドラムを毎日嬉しそうにたたいていた中、2013年12月20日に人気アーティストのDef Techと出会います。
そしてDef TechのMicroが言った『4年後、Def Techのステージでドラマーとして共演しよう』が彼の人生を変えたのです。
生きる意味を与えられた響希くんは、11歳にしてプロのドラマーを目指すことになりました。
そんな響希くんを応援すべくご家族は、自宅に防音設備を整えたり、プロの指導者を付けたりとあらゆる手段でサポートしてきました。
現在は楽団から声がかかるほどの腕前に成長し、約束の4年後を迎えた夏、響希くんとDef Techは共演を果たします。
響希くんは『音楽を通して同じ境遇の人に勇気を与えたい』と熱い想いでそのステージに立ち演奏を披露します。
■X JAPAN YOSHIKIも参戦!
放送当日にアメリカのロサンゼルスから緊急帰国し、24時間テレビの会場に駆けつけることが報道されたYOSHIKI。
日本時間の25日にはロサンゼルスで行われるライブに出演予定だが、終了後その足で日本に向かい26日の夜に出演する予定のようです。
酒井響希くんがYOSHIKIに憧れてドラムの練習に打ち込んでいることを聞き、少年の夢をかなえるためにスペシャルステージを披露することが決まっています。
YOSHIKIは『困難な状況にも負けず夢に向かって頑張る人たちに勇気を与えられるようなステージをお届けしたい』とその想いを語っています。
最初はこのニュースを見て、息子と同じ病気ながらも夢を持ちたくましく生きている少年の姿に嬉しさがこみ上げました。
しかしこの病気を息子が発症していると知ったときの絶望感は計り知れないもので、治療が終わり元気に生きているからこそこうして文字に起こすことが出来ていると言うのが現実です。
まだまだ知られていない稀少がんの『網膜芽細胞腫』という小児がんについて、今回の事をきっかけにいろんな人に知ってもらえたらと思います。