ドラッグストアで長きにわたってトップを走り続けてきたマツモトキヨシが2016年ついにその座をウエルシアに明け渡した。
マツモトキヨシは実に22年間売り上げ高首位を維持してきたが、ここにきてウエルシアが大躍進した形だ。
ウエルシアの急成長には3つの秘訣がある。それは『コンビニの便利サービス』・『スーパーの激安価格』・『プライベートブランド』だ。
これらが成功し大ヒットしたことが、コンビニエンスストアから客を奪い、ドラッグストア業界の新たなインフラになりつつあるのだ。
カンブリア宮殿ではウエルシアの急成長と成功の秘訣について会長池野がその想いを語った。
今や全国各地に展開しているウエルシアだが、その中でも都内の店舗にはある特徴がある。
店の入り口には作り立ての弁当が並び、総菜やコンビニでは定番の淹れたてコーヒーまでも販売しているのだ。
店内には銀行ATMも完備し、レジでは公共料金の支払いまで出来るのだ。
この光景はまさにコンビニエンスストアではないだろうか。ウエルシアの戦略の一つ『コンビニの便利サービス』がこれだ。
だがそれだけでは終わらない。ウエルシアの強みの一つでもある『スーパーの激安価格』がここでさらに発揮される。
店に行ったことがある人は分かると思うが、ウエルシアで販売されているペットボトル飲料や菓子パンの値段は100円以下なのだ。
■目標は打倒セブンイレブン!便利さと価格で真向勝負!
コンビニの便利さとスーパーの激安価格を実現したウエルシアの勢いはとどまることを知らずに急成長を遂げる。
2016年にはこれまで長きにわたって君臨してきたドラッグストアの王者マツモトキヨシを追い抜き、業界トップに躍り出た。
このウエルシアの躍進を実現したのが会長の池野隆光だ。池野はハッキリと明言する。
『ライバルはマツモトキヨシではない。セブンイレブンだ』
打倒セブンイレブンに向け開発され続けているものが独自のプライベートブランド商品だ。
『血液サラサラ効果のあるハンバーグ』や『糖質制限クロワッサン』など健康を主軸においた商品開発はドラッグストアならではの武器ではないだろうか。
このプライベートブランドが今続々とヒットを生み続けているのだ。
ウエルシアの設立は遡ること1965年に埼玉県春日部市に誕生した鈴木薬局という小さな個人薬局がその後トップと合併し設立されたのだ。
鈴木薬局は当時はまだ珍しい調剤薬局を併設した薬局で創業者の鈴木孝之は自身が薬剤師だった。その鈴木薬局が成功し、その後グリーンクロスというドラッグストアチェーンを展開した。
それと同じ時期に現会長の鈴木が創業したドラッグストアのトップは競合だったが、2002年に合併し名をウエルシアに統一したのだ。
そして後にくる『医薬分業』を見越して、ウエルシアは調剤薬局併設店を一気に拡大した。
薬剤師の人員を増やし、調剤薬局を併設したドラッグストアでは圧倒的な差をつけて業界ナンバー1の地位を確立した。
ウェルシアは病院の前に展開している門前薬局の形態にこだわらず、あえて住宅街に積極的に店を出し、また24時間営業の店舗を同じく続々と増やして深夜早朝でも薬が買える『地域の健康サポート拠点』としての地位を築き上げようとしている。
■ドラッグストアの今後は?ここまでやる意味とは何なのか
会長の池野は一つの危機感を抱いている。
それは『ドラッグストアの同質化』だ。数多くのドラッグストアが同じような店舗形態をし、どのドラッグストアに行っても代わり映えの無いように映るのはまさに池野の抱く危機感そのもの。
そこで池野は自らの発想でこれまでにないドラッグストアを新たに模索しているのだ。
その一つが『ウエルカフェ』だ。現在約150店舗で実施しているウエルカフェは、店舗の一角を高齢者に無料開放し憩いの場として利用してもらうというものだ。
やがてくる超高齢化社会を見据えた企画だ。
また、その一方で東京日本橋の一等地にあるビビオンでは、『働く女性のための日本初のシティ型ドラッグストア』を実現。
店内にはアパレルからアクセサリー、そしてエステやネイルサロンと女性向けのサービスが取り揃えられている。
さらに池野は買い物ついでに飲食できる店がないことに気が付き、『カレー店併設のドラッグストア』を作ったのだ。
ドラッグストはもっと進化出来ると熱く語るウエルカフェ会長の池野の未来のビジョンき期待したい。
住宅街に調剤薬局を併設したドラッグストアがあるのは利用者としては大変便利で有難いものです。
病院前にある処方箋薬局はたいてい待ち時間が長く、また店舗が狭いため長く待つことが困難であり利用しづらい店も多いですよね。
そんな中、家の近くに処方箋薬局があればとても便利だし待ち時間もドラッグストアなら店内で買い物をして待つことも出来るため時間を有効利用出来ることが嬉しいです。
公共料金の支払いが出来、銀行ATMが備え付けられている。ウエルシアはこうした利用者にとって便利な環境を一つの店舗にまとめて展開しています。
続々と店舗数を増やしているウエルシアは今度どのような方法で事業を拡大していくのかとても気になるところです。